トランプ関税圧力でメキシコがEUとの貿易強化へ video poster
トランプ米大統領による関税の脅しが続くなか、メキシコは黙って様子を見るつもりはないようです。アジアとの貿易協定をすでに結んだうえで、クラウディア・シェインバウム大統領の政権は、欧州連合(EU)との貿易協定の「近代化」に動き出しています。
対米関税圧力の中で動くメキシコ
今回の動きの背景には、トランプ米大統領がメキシコに対して関税をちらつかせていることがあります。メキシコ側は、この圧力に受け身で対応するのではなく、自らの交渉力を高める方向へ舵を切ろうとしているとみられます。
「傍観しない」という姿勢は、特定の相手国に政策を左右されにくい貿易構造をつくりたいという意図の表れとも言えます。
アジアとの貿易協定で広がる選択肢
メキシコはすでにアジアとの貿易協定を結んでいます。アジア各国とのつながりを強めることで、メキシコ企業にとっては次のようなメリットが考えられます。
- 輸出先・調達先を増やし、リスクを分散できる
- 複数の市場を背景に、貿易交渉で主張しやすくなる
- 新しい投資や雇用の機会を生み出す余地が広がる
アジアとの協定は、対米関税リスクへの「保険」にもなり得る一方で、メキシコ経済の成長余地を広げる試みとも受け止められます。
EUとの貿易協定「近代化」とは何か
こうした中で、シェインバウム政権はEUとの既存の貿易協定を「近代化」しようとしています。具体的な中身は今後の交渉次第ですが、一般的には次のような論点が焦点になりやすいとされています。
- 工業製品や農産品などの関税引き下げや撤廃
- サービス産業や投資ルールの明確化
- デジタル取引や環境・労働基準に関する新しいルールづくり
EUとの関係をアップデートすることで、メキシコはアジアに続き、もう一つの大きな市場との連携を強めようとしていると言えるでしょう。
キーワードは「多角化」
今回のメキシコの動きから浮かび上がるキーワードは「多角化」です。特定の国の関税や政治状況に大きく左右されないよう、複数の地域と協定を結び、選択肢を増やす戦略です。
これは企業レベルでも応用できる発想です。取引先や市場を分散させておけば、どこか一か所でトラブルがあっても全体への影響を抑えやすくなります。
日本とアジアの読者にとっての意味
メキシコがアジアやEUとの貿易関係を強める流れは、日本を含むアジアの企業や投資家にとっても無関係ではありません。メキシコ市場やメキシコを経由したサプライチェーン(供給網)をどう活用するかは、今後の戦略として検討する余地があります。
また、米国をめぐる貿易ルールが揺れ動く中で、どの国・地域がどのようなパートナーシップを築こうとしているのかを追うことは、自国の経済や仕事の未来を考える上でもヒントになります。
これからの注目ポイント
今後、注目したいポイントは次のとおりです。
- トランプ米大統領による関税の脅しが、実際の措置に発展するのか
- メキシコとEUの間で、どのような条件で協定「近代化」が進むのか
- アジアとの貿易協定が、どの分野で具体的な成果を生み出していくのか
関税という一見テクニカルなテーマの裏側には、各国が自国の立場をどう守り、どう広げようとしているのかという政治と経済の駆け引きがあります。メキシコの動きは、その一つの教科書のようなケースとして注目しておきたいところです。
Reference(s):
Tariff threat pushes Mexico to grow trade ties with European Union
cgtn.com








