パナマ運河をめぐる米国と中国の主張:いま何が起きているのか video poster
米国が建設し、1999年にパナマへ引き渡されたパナマ運河をめぐって、いま再び政治的な注目が集まっています。米国のトランプ大統領が「運河を取り戻したい」と発言し、中国が運河を運営していると主張した一方で、中国側は運営への関与を否定しています。本記事では、日本語で読む国際ニュースとして、このやり取りのポイントを整理します。
パナマ運河の基本:米国が築き、パナマへ引き渡された水路
パナマ運河は、20世紀初頭に米国が建設した人工の運河です。米国は長年にわたり運河を管理してきましたが、1999年にその管理をパナマへ引き渡しました。それ以降、運河はパナマの手で運営されてきました。
運河は、世界の海上輸送にとって重要な通路であり、日々多くの船舶が通行します。水位や通行スケジュールを細かく調整しながら、安全に船を通すためのオペレーションが続けられています。
トランプ大統領「パナマ運河を取り戻したい」と発言
こうした中、米国のトランプ大統領は、パナマ運河について「米国は運河を取り戻すべきだ」とする考えを示しました。大統領は、現在のパナマ運河は中国が運営していると主張し、そのことを理由の一つとして挙げています。
発言の背景には、戦略的なインフラをめぐる米国の関心の高まりがあります。かつて自らが建設し、後にパナマへ引き渡した運河をめぐって、米国が再び発言力を強めようとしている姿がうかがえます。
中国側の反応:運営への関与を明確に否定
これに対し、中国側はトランプ大統領の見方に異議を唱えています。中国の外交部報道官である毛寧氏は、中国はパナマ運河の管理や運営には参加していないと説明し、運河を「中国が運営している」という見方を否定しました。
中国側の主張は、同国がパナマ運河の運営主体ではないことを明確にするものです。発言は、国際インフラをめぐる議論において、自国の立場をはっきり示そうとする姿勢ともいえます。
インフラをめぐる「誰が運営しているのか」という語り
パナマ運河をめぐる今回のやり取りは、国際インフラをめぐる語り方そのものを考えさせます。ある国の領土内にある施設について、別の国の指導者が「取り戻したい」と語るとき、そこには歴史、安全保障、経済など、さまざまな思惑が重なっています。
一方で、中国側は運営への関与を否定し、自国の役割について明確に線を引こうとしています。ここには、国際社会の中でどのように見られたいかというイメージ戦略も影響していると考えられます。
私たちはこのニュースをどう読むか
今回のパナマ運河をめぐる発言は、ただの言葉の応酬ではなく、国際秩序やインフラのあり方に関わるテーマを含んでいます。ニュースを受け取る側として、次のような点を意識しておくとよさそうです。
- 誰が、どの立場から、どのような目的で発言しているのか
- 対象となるインフラの歴史と、現在の管理主体はどうなっているのか
- 発言によって、どの国や地域がどのように映し出されているのか
パナマ運河という一つの運河をめぐる議論は、国際政治や経済の力学を映す鏡でもあります。短いニュースであっても、その背後にある歴史や文脈に目を向けることで、世界の動きをより立体的にとらえることができそうです。
Reference(s):
cgtn.com








