プーチン氏とトランプ氏が電話会談 ウクライナ停戦協議とサウジ対面会談へ
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と米国のドナルド・トランプ大統領が現地時間水曜日、ウクライナ情勢や中東情勢などをめぐり約90分間の電話会談を行い、停戦に向けた交渉開始とサウジアラビアでの対面会談で合意しました。3年にわたり続くウクライナでの戦争をどう終わらせるのか、米露首脳が動き始めた形です。
米露首脳、停戦と「根本原因」めぐり議論
ロシア大統領府(クレムリン)とホワイトハウスはそれぞれ声明を出し、両首脳が電話会談を行ったと発表しました。
クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官によると、プーチン大統領はトランプ大統領をモスクワに招待し、ロシア側も米国の高官を受け入れる用意があると伝えました。電話協議は「幅広く実質的な対話」で、約90分続いたとしています。
会談では、とくにウクライナで続く戦争の迅速な停戦と平和的解決が中心議題となりました。ペスコフ氏は、トランプ大統領が早期停戦と和平を支持した一方で、プーチン大統領はウクライナ紛争の「根本原因を取り除く」必要性を強調したと説明しました。
トランプ大統領も、自身の発信でプーチン大統領との「長く、非常に生産的な電話だった」と述べ、ロシアとウクライナの戦争で生じている膨大な犠牲を止めたいという点で一致したと強調しました。
即時交渉を指示 サウジでの対面会談も
トランプ大統領は、ロシアとの停戦に向けて両国のチームが直ちに交渉を開始することで合意したと説明し、自身がウクライナのゼレンスキー大統領に電話し、会談内容を伝えると述べました。
米側の交渉チームには、国務長官マルコ・ルビオ氏、中央情報局(CIA)長官ジョン・ラトクリフ氏、大統領補佐官(国家安全保障担当)マイケル・ウォルツ氏、中東担当特使スティーブ・ウィトコフ氏らが加わるとしています。トランプ大統領は、米露交渉が成功すると強い期待を示しました。
ペスコフ報道官は、両首脳が今後も個人的な連絡を保ち、将来的な対面会談の開催で一致したと述べました。トランプ大統領はホワイトハウスで記者団に対し、サウジアラビアでプーチン大統領と会談する意向を明らかにし、日程は明示しないまま、互いの国を訪問することでも合意したと語りました。
中東、イラン核、AIまで 議題は多岐に
クレムリンによれば、電話会談ではウクライナに加え、中東情勢やイランの核問題、米露の経済関係なども取り上げられました。トランプ大統領は、ウクライナ、中東、エネルギー、人工知能(AI)、ドルの力など、さまざまなテーマについて話し合ったと説明しています。
ウクライナのNATO加盟は「可能性低い」見方
プーチン大統領との通話後、トランプ大統領はウクライナのゼレンスキー大統領とも約1時間話し合いました。ゼレンスキー氏はSNSで「大統領と有意義な会話を行った。平和を実現する可能性や、協力する用意、ドローンなど先端技術を含むウクライナの能力について議論した」と投稿し、対話継続への前向きな姿勢を示しました。
一方、トランプ大統領は同日開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議での議論にも言及しました。米国のピート・ヘグセス国防長官が、ウクライナのNATO加盟の見込みはないと述べたことについて、「おそらくその通りだ」と記者団に語り、ウクライナの加盟が現実的ではないとの認識を示しました。
ヘグセス氏はNATOの場で、ウクライナ防衛の軍事的・財政的負担の大部分を欧州側が担うべきだとの考えを強調し、停戦を含む将来の合意のなかでも、ウクライナのNATO加盟は現実的な選択肢ではないとの見方を示しています。
国連は「前向きな動き」と評価
国連のファルハン・ハク事務総長副報道官は、米露首脳の電話会談について「前向きなことだ」と述べ、ウクライナとロシアの双方が関与する和平プロセスにつながるあらゆる努力を歓迎すると語りました。
ハク氏は、過去3年にわたり国連が一貫して当事者から求められれば仲介役を担う用意があると表明してきたとしたうえで、今回の動きのなかでどのような役割を果たすことになるか見極める必要があると慎重な姿勢も示しました。
焦点は「誰のための和平」か
米露首脳が停戦に向けて直接動き始めたことは、戦闘が続くウクライナ情勢にとって大きな転機となる可能性があります。同時に、当事者であるウクライナや周辺国の安全保障、そして国際秩序のあり方をどう位置づけるのかという難しい問いも突きつけられています。
今回の電話会談と今後予定されるサウジアラビアでの対面会談が、どこまで具体的な停戦合意につながるのか。米露の思惑とウクライナの主権、NATOや国連を含む国際社会の関与がどのように折り合うのかが、今後の大きな焦点となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com







