スーダン軍がRSFに各地で前進 首都圏バフリと北コルドファンを制圧と発表
スーダン軍(Sudanese Armed Forces/SAF)は月曜日、準軍事組織ラピッド・サポート・フォース(Rapid Support Forces/RSF)との戦闘で、複数の前線で前進していると発表しました。首都圏のバフリ市カフーリ地区と、中部の北コルドファン州アルラハド市を制圧したと主張しており、2023年から続く紛争の戦況に変化が生じつつあります。
- 首都圏バフリ市のカフーリ地区で、RSFの最後の拠点を制圧と発表
- 北コルドファン州アルラハド市も掌握し、州内で2つ目の奪還都市に
- 1月以降、RSFは中部スーダンの複数地域から撤退し、要衝を相次いで喪失
- 紛争は2023年4月中旬から続き、国際機関の推計で約2万9,680人が死亡
首都圏バフリ市・カフーリ地区で前進
スーダン軍は、首都ハルツーム北側に位置するバフリ市で、カフーリ地区を完全に掌握したと発表しました。カフーリ地区は、同市におけるRSFの最後の拠点とされてきた地域です。
スーダン軍によると、アルマルキヤット軍事基地に展開する特殊部隊が、カフーリ地区で激しい作戦を実施し、「民兵勢力を一掃する」形で前進を続けているとしています。地上戦を通じて、RSF部隊を地域から排除したと強調しました。
カフーリ地区の制圧は、ハルツーム、オムドゥルマン、バフリという、首都圏3都市にまたがる軍事作戦の中で、重要な節目と位置付けられています。
オムドゥルマンへの砲撃拠点を喪失
かつてカフーリ地区は、RSFにとってオムドゥルマン方面への砲撃を行うための重要な拠点でした。スーダン軍側が支配する地域に対して、同地区から砲撃が行われていたとされています。
今回の制圧によって、RSFは首都圏での火力投射の拠点の一つを失ったことになり、オムドゥルマン周辺の戦況や、首都圏全体の軍事バランスに影響を与える可能性があります。
北コルドファン州アルラハド市を掌握
スーダン軍はさらに、中部スーダンの北コルドファン州でも前進していると発表しました。同軍は激しい戦闘の末、アルラハド市を掌握したとしています。戦闘は数日にわたり続いていたとされます。
フェイスブック上に掲載された別の声明で、スーダン軍は「アルラハド方面での前進を続け、民兵勢力を打ち破っている」と強調しました。アルラハドは、同州でスーダン軍が奪還した2番目の都市です。
同州では、今年1月30日に州第2の都市ウム・ルワバがスーダン軍により奪還されています。アルラハドの掌握は、北コルドファン州全体における軍の影響力を一段と高める動きと受け止められています。
鉄道と道路の要衝、アルラハドの戦略的意味
アルラハド市は、北コルドファン州の州都エル・オベイドから西へ約30キロに位置する要衝です。主要道路が交わる交通の結節点であると同時に、西部と東部・中部の地域を結ぶスーダンの鉄道網にとって重要な駅でもあります。
この都市をスーダン軍が掌握したことで、部隊や物資の移動経路、さらには住民や避難者の移動にも大きな影響が出る可能性があります。鉄道や幹線道路の支配は、軍事的な優位だけでなく、人道支援のルート確保という観点からも重い意味を持ちます。
RSFが中部で後退 1月以降、拠点喪失が続く
スーダン軍の発表によると、RSFは1月以降、中部スーダンの複数の地域から撤退を続けてきました。中部の要衝であるジャジーラ州やシンナール州では、RSFが戦略的な支配地域を失ったとされています。
首都圏でも、RSFはバフリ北部のアルジェイリ地区にあるハルツーム製油所など、重要な施設を失いました。軍事・経済の両面で意味を持つ拠点が相次いでスーダン軍側に移ったことで、戦況の主導権が一部でスーダン軍に傾きつつあるという見方も出てきそうです。
一方で、RSFは依然として各地に戦力を残しているとみられ、都市部や地方での戦闘は続いています。前線の移動が激しい状況の中で、住民の安全や人道状況がどこまで守られるのかが大きな課題です。
2023年から続く紛争 犠牲は約2万9,680人
スーダンでは、スーダン軍(SAF)とRSFの激しい武力衝突が、2023年4月中旬から続いています。国際機関の最新の推計によれば、この紛争によってこれまでに約2万9,680人の命が失われています。
発表では具体的な市民被害の内訳には触れていませんが、「壊滅的」と形容される長期紛争であることから、多くの人々が戦闘に巻き込まれ、生活基盤やコミュニティが深刻な打撃を受けていることがうかがえます。2025年12月現在も戦闘は各地で続いており、紛争終結のめどは立っていません。
このニュースから見える問い
今回のスーダン軍の前進は、軍事的には「勝利」として伝えられていますが、それが直ちに紛争の終結や安定につながるとは限りません。日本でニュースを追う私たちにとっても、いくつか考えるべきポイントがあります。
- 軍事的な前進は、停戦や政治的な合意への圧力となるのか、それとも戦闘の激化を招くのか。
- 鉄道や幹線道路などインフラの支配は、住民の移動や人道支援のルートにどのような影響を与えるのか。
- 長期化する紛争に対し、国際機関や周辺地域はどのように関与し、人々の安全を守っていくべきなのか。
遠い地域の出来事のように見えても、大規模な武力衝突は国際秩序や人道支援のあり方をめぐる共通の課題を浮かび上がらせます。スーダンでの動きは、世界が紛争とどう向き合うのかを考える一つの鏡とも言えそうです。
今後もスーダン軍とRSFの戦況、そして住民への影響に関する情報が、国際社会から注視されることになりそうです。
Reference(s):
Sudanese army 'advancing on different fronts' in fight against RSF
cgtn.com








