中国とアルジェリアが協力強化へ G20外相会合で示した狙いとは
南アフリカ・ヨハネスブルクで開かれているG20外相会合の場で、中国とアルジェリアが二国間協力を一段と深めていく方針を確認しました。グローバルサウスや国際秩序の「多極化」をキーワードにした今回の会談は、アフリカと中国の関係を考えるうえで重要な動きです。
G20外相会合の舞台裏で行われた中・アルジェリア会談
会談は、ヨハネスブルクで行われているG20外相会合に合わせて実施され、中国側からは王毅外相(中国共産党中央政治局委員)、アルジェリア側からはアフメド・アタフ外相が出席しました。
両外相は、二国間の伝統的な友好関係とこれまでの実務協力を土台に、今後さらに協力を深めていくことで一致しました。王毅外相は、アルジェリアを「影響力の大きいアフリカの重要国」と位置づけ、中国が同国の発展と復興の取り組みを重視し、国際・地域情勢でより大きな役割を果たすことを支持すると強調しました。
「特別な友情」の背景にある歴史
今回の中国とアルジェリアの会談には、長年の歴史的な積み重ねがあります。両国はこれまでに「包括的な協力の枠組み」を築いてきたとされ、その信頼関係が改めて確認された形です。
国連での「合法的地位」回復を支えたアルジェリア
王毅外相は、アルジェリアがかつて、中国の国連における「合法的な地位」の回復に特別な貢献をしてきたことに言及しました。アルジェリアは歴史的に、中国の国際社会への復帰を強く後押ししてきた国のひとつと位置づけられています。
アタフ外相も、両国は似た歴史的経験と価値観を共有していると述べ、長年にわたる友情が「多くの貴重な歴史的記憶」を生み出してきたと振り返りました。アルジェリアは当時、中国の国連での地位回復を断固として支持し、現在も「人権」を理由に他国の内政に干渉する行為には反対する立場を示しています。
2023年の首脳訪問で生まれた「新たな弾み」
アタフ外相は、2023年にテブブン大統領が中国を訪問し、習近平国家主席と重要な合意に達したことをあらためて強調しました。この訪問が二国間関係に新たな推進力を与えたと評価し、今回の外相会談はその流れを引き継ぐものと位置づけられます。
グローバルサウスと「秩序ある多極化」を掲げる中国・アルジェリア
今回の会談で、中国とアルジェリアが共通して強調したのが、「グローバルサウス」と「多極化する世界」というキーワードです。
王毅外相は、両国が互いの核心的利益を守るうえで引き続き支え合い、さまざまな分野で協力を深めるとともに、グローバルサウス諸国の正当な権利と利益を共同で守っていくべきだと述べました。また、「平等で秩序ある多極的な世界」をつくることを目指すとしています。
ここで言う「多極化」とは、一部の大国だけでなく、複数の国や地域が影響力を持つ国際秩序を指します。中国とアルジェリアは、自らをその一翼を担う存在として位置づけ、協力を強めることで発言力を高めたい思惑もうかがえます。
一方、アタフ外相は、アルジェリアが他国の内政への干渉に反対する立場を改めて示し、中国が必要な時にアルジェリアを支えてきたことへの感謝を表明しました。人権を名目にした内政干渉に反対する姿勢は両国に共通する立場とされています。
経済・貿易で加速する中国・アルジェリア協力
政治面だけでなく、経済協力も明確に「加速モード」にあると強調されました。アタフ外相によると、両国の実務協力はすでに多くの成果を上げ、「高速道路」に入った段階だといいます。
中国はアルジェリア最大の貿易相手国に
アルジェリアと中国の経済関係では、次のようなポイントが示されました。
- アルジェリア・中国経済貿易共同委員会が成功裏に開催されたこと
- 中国がアルジェリアの「最大の貿易相手国」になっていること
- 投資拡大をアルジェリア側が歓迎していること
これらは、中国とアルジェリアの経済関係が数量・規模の両面で拡大していることを示しています。
「8つのイニシアチブ」と新興分野での連携
アタフ外相はさらに、アルジェリアが中国による「実務協力のための8つのイニシアチブ」の実施に積極的に取り組む意向を示しました。詳細な中身は今回の会談では具体的に示されていませんが、両国は特に新興産業の分野での協力を深め、両国の人びとに具体的な利益をもたらしたい考えです。
エネルギー、インフラ、デジタル技術など、アフリカで需要が高い分野で、中国とアルジェリアの協力がどのように展開していくかが今後の注目点となります。
なぜこの中国・アルジェリア関係が重要なのか
今回の会談は、一見すると二国間の動きに見えますが、その背景にはいくつかの大きな流れがあります。
- アフリカの中でも影響力を持つアルジェリアと、中国の結びつきが一段と強まっていること
- グローバルサウス諸国が、国際社会での発言力を高めようとしていること
- 多極化する国際秩序の中で、新たなパートナーシップが生まれていること
日本から見ると、アフリカと中国の関係はやや遠い話に感じられるかもしれません。しかし、エネルギー、安全保障、サプライチェーン(供給網)の観点からも、アフリカの動向は世界経済と深く結びついています。中国とアルジェリアの協力がどの方向に進むのかは、国際ニュースとして今後もフォローしておく価値があります。
これからの焦点:信頼関係の「実務化」が鍵
中国とアルジェリアは、長年の友情と政治的信頼関係を強調しつつ、その関係を経済協力や新興分野の共同プロジェクトにどこまで具体化できるかが問われています。
今回のG20外相会合の場で示されたのは、次のような方向性です。
- 政治的相互信頼の一層の強化
- 互いの核心的利益の尊重と支持
- グローバルサウス諸国の権利・利益の共同擁護
- 多極的でより公平な国際秩序づくりへの協力
- 貿易・投資、新興産業での実務協力の拡大
こうした動きが今後どのように具体的なプロジェクトや制度として形をとっていくのか、そしてアフリカや他の地域にどのような影響を与えるのか。国際ニュースを追ううえで、一つの重要な視点になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








