イラン外相「圧力下の核交渉に応じず」米国に対等な協議を要求
イラン外相「圧力の下で核交渉せず」その発言は何を意味するか
イランのセイエド・アッバス・アラグチ外相が、トランプ米大統領による核合意再交渉の呼びかけに対し、圧力や威嚇の下では核問題を含むいかなる交渉にも応じないと改めて表明しました。イランの核問題と対米関係をめぐる駆け引きが、あらためて注目を集めています。
Xで米国に「圧力と威嚇の下では交渉しない」と警告
アラグチ外相は今週月曜日、ソーシャルメディアのXに投稿し、ワシントンによる軍事的な威嚇や経済制裁に触れながら、圧力をかけられた状態での核交渉は受け入れられないとの立場を示しました。
投稿の中で外相は、交渉と一方的ないじめや命令は全く別のものであり、どのようなテーマであっても圧力と威嚇の下では交渉自体を検討しないと強調しました。これは、トランプ米大統領がイランとの核問題をめぐる交渉を呼びかけていることへの直接の応答とみられます。
核エネルギー利用は「常に平和的」と強調
アラグチ外相はまた、イランの核エネルギー計画について、これまでも今後も完全に平和的なものだと強調し、その軍事転用や潜在的な軍事化に関する非難を否定しました。
イラン側は一貫して、原子力発電や医療用途など民生目的の核技術開発を主張してきました。今回の発言も、核兵器開発を疑う一部の見方に対し、あらためて平和利用の枠内にとどまっていると国際社会にアピールする狙いがあると受け止められます。
国際社会とは「対等な協議」を継続
一方でアラグチ外相は、イランが国際社会の関係国と、核問題をめぐる協議そのものは続けていると説明しました。その際の条件として挙げたのが、対等な立場と相互尊重です。
外相によると、イランは国際的な利害関係者と対等な立場で向き合いながら、核計画に関する信頼を高め、透明性を強化する仕組みを探っているといいます。その見返りとして求めているのが、自国に課されている違法な制裁の解除です。
- 核計画の透明性を高めること
- 国際社会との信頼醸成を進めること
- その見返りとして経済制裁の解除を得ること
イラン側は、圧力ではなく相互尊重にもとづく合意であれば、核問題をめぐる協力や追加的な透明性措置にも前向きになり得る、というメッセージを発しているとも読めます。
トランプ米大統領の「書簡」とイラン側の否定
今回のやり取りの背景には、トランプ米大統領の発言があります。先週金曜日に放送された米メディア、フォックス・ビジネス・ネットワークのインタビューで、トランプ氏はイランの核問題について交渉したいと述べ、イランの指導部に書簡を送ったと主張しました。
しかし、テヘランで行われた週例記者会見で、イラン外務省のエスマイル・バガイエ報道官は、そのような書簡は受け取っていないと語り、米側の説明との間に食い違いが生じています。
書簡の有無をめぐる認識の差は、両国間の不信の深さを象徴しているとも言えます。イラン側は、公の場で正式なルートを通じた接触が確認されない限り、米国からのメッセージを額面通りに受け取ることには慎重です。
圧力と対話、そのあいだで揺れる核問題
2025年12月現在、イラン核問題は依然として国際政治の重要な争点です。今回のアラグチ外相の発言は、圧力と制裁を先行させるアプローチでは交渉の扉は開かれないというイラン側の基本姿勢をあらためて示したものだと言えます。
一方で、イランは国際社会との協議を完全に拒んでいるわけではなく、対等な条件と相互尊重が担保されれば、透明性の向上や信頼醸成策について話し合う余地はあるとも示しています。
今後の焦点となるのは、次のような点です。
- 米国が軍事的威嚇や制裁一辺倒の姿勢をどこまで見直すのか
- イランがどの程度まで核計画の透明性を高める用意があるのか
- 双方が対等な交渉の条件をすり合わせられるかどうか
圧力か、対話か。そのあいだのどこに落としどころを見いだすのかは、イランと米国だけでなく、核不拡散や中東の安定を重視する国際社会全体にとっても大きな関心事です。今回の発言は、その行方を占ううえで一つのシグナルとなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








