ガザ復興巡りアラブ外相と米特使が協議 530億ドル計画とは
ガザ地区の復興を巡り、アラブ諸国の外相と米国の特使がカタール・ドーハで会合を開きました。今年3月に承認された530億ドル規模のアラブ主導ガザ復興計画を基礎に、今後の協力の枠組みを話し合った形です。
ドーハ会合のポイント
今週水曜日、カタール、ヨルダン、サウジアラビア、エジプト、アラブ首長国連邦の外相と、パレスチナ解放機構(PLO)執行委員会の事務局長が、米国特使スティーブ・ウィトコフ(Steve Witkoff)氏とドーハで会談しました。
カタール外務省の発表によると、各国外相らはアラブ諸国が策定したガザ復興計画を米側に提示し、この計画をガザ復興の土台と位置付けて協議と調整を続けることで一致しました。
- アラブ諸国が主導するガザ復興計画を米国に正式提示
- 計画を今後の復興努力の基盤とすることで合意
- 協議と調整を継続し、停戦の定着や地域の安定を目指す方針を確認
530億ドル規模 ガザ復興計画の中身
今回のガザ復興計画は、今年3月4日にエジプトの首都カイロで開かれたアラブ首脳会議で承認されたものです。総額530億ドルに上る大型計画で、最大の特徴はガザ地区の住民を他地域へ移さず、現地での再建を進める点にあります。
計画は、インフラや生活基盤を立て直し、ガザ地区の再建を進めることを目指しています。同時に、復興プロセスが地域の安定と政治的解決につながるよう、国際社会との連携も前提としています。
この構想は、トランプ米大統領が以前示した、ガザを再開発する代わりに住民をエジプトやヨルダンなど近隣諸国へ移す案とは、方向性が大きく異なります。アラブ諸国は、ガザの人々が故郷を離れることなく生活を再建できることを重視しているといえます。
停戦と二国家解決を強調
アラブ諸国外相らは会合で、ガザおよび占領下パレスチナ地域での停戦の実現が不可欠だと強調しました。また、パレスチナとイスラエルがそれぞれ国家として共存する二国家解決を前提に、公正で包括的な和平を目指すべきだとの立場を改めて示しました。
二国家解決とは、イスラエルとパレスチナがそれぞれ主権を持つ国家として併存し、国境や安全保障の枠組みを合意によって確立する構想です。今回の会合は、復興計画を経済支援にとどめず、政治的な和平プロセスと結びつけようとする試みとも受け止められます。
地域の安定へ 各国が共有した危機感
参加した外相らは、停戦の強化と地域の安全保障・安定・平和のために、対話を継続する重要性も確認しました。ガザ復興を巡る合意形成は、ガザの状況だけでなく、中東全体の緊張緩和にも影響すると見られます。
アラブ諸国と米国が同じテーブルで復興計画を具体的に協議し始めたことは、今後の資金拠出や実施体制作りを進めるうえで大きな一歩です。一方で、実際の停戦の行方や現地の政治状況など、計画の実現には多くの不確実性も残ります。
これからの注目ポイント
- 530億ドル規模の資金をどのように分担・拠出していくのか
- ガザの統治や治安を誰がどのような枠組みで担うのか
- 停戦の定着と二国家解決に向けた具体的な政治プロセスは描けるのか
ガザ復興を巡る今回の動きは、中東情勢だけでなく、国際秩序やエネルギー安全保障にもつながるテーマです。日本からニュースを追う私たちにとっても、遠い地域の出来事ではなく、世界の安定をどう支えるのかという共通の問いを投げかけています。
Reference(s):
cgtn.com







