トランプ関税で株式市場急落 「史上最高の経済」と投資家の温度差 video poster
2025年3月4日、トランプ米大統領は米議会で「史上最高の経済」を実現すると約束しました。しかし、そのわずか数日後、世界の株式市場はその楽観とは真逆の方向に大きく揺れました。投資家の不安が連鎖的な売りを呼び、トランプ政権の関税政策と貿易戦争が景気後退を招くのではないかという懸念が一気に表面化したのです。
3月4日「史上最高の経済」発言と市場の受け止め
トランプ氏は3月4日、米議会で米国経済を「歴史上最も偉大な経済」にすると約束しました。減税や関税強化を通じて国内産業を守り、成長を加速させるというメッセージです。
しかし、投資家はこの約束を額面通りには受け取っていませんでした。市場では、関税が企業コストを押し上げ、貿易摩擦を激化させることで、むしろ世界景気を冷やすのではないかという疑念がくすぶっていたとみられます。
3月10日、株価急落 アナリストが「ラウト」と呼ぶ大荒れ相場
その不安が一気に噴き出したのが3月10日(月)です。この日、株式市場は大きく売られ、アナリストが「ラウト(総崩れ)」と呼ぶほどの急落となりました。
報道によると、この1日だけで失われた時価総額はフランスの年間国内総生産(GDP)を上回ったとされています。1国の経済規模を超える損失が、わずか数時間の取引で発生した計算です。
翌11日も続落 貿易戦争と景気後退への恐れ
翌日の火曜日にも株価は再び下落しました。市場が特に恐れているのは、トランプ大統領が仕掛ける貿易戦争が、米国だけでなく世界経済を景気後退に追い込むシナリオです。
関税が引き上げられると、輸入品の価格が上がり、企業のコストも増えます。企業はその負担を消費者価格に転嫁するか、利益を削るかを迫られます。その結果として、
- 消費が冷え込む
- 企業の設備投資が抑えられる
- サプライチェーン(供給網)が混乱する
といった悪影響が重なり、景気全体にブレーキがかかる可能性があります。投資家はこうした連鎖を織り込み始めたと考えられます。
痛みを認めつつ、関税強化を続けるトランプ氏
トランプ大統領は、自らの経済計画が米国民に「痛み」をもたらす可能性があることをすでに認めています。それでも一部の関税については、むしろ引き上げる姿勢を崩していません。
短期的なコストや株価下落があっても、長期的には米国経済の体質を強くできるというのがトランプ氏の主張です。一方で市場は、本当にその痛みに見合う成果が得られるのか、また貿易戦争が制御不能にならないかという点に強い疑問を抱いていると言えます。
日本・アジアの投資家が押さえておきたい視点
今回の株式市場の乱高下は、米国発の政策が世界中の投資家にどれほど大きな影響を与えるかを改めて示しました。日本やアジアの投資家にとっても、人ごとではありません。
- 政治のメッセージと市場の評価は必ずしも一致しない
- 関税や貿易政策は、企業の業績見通しを通じて株価を大きく動かす
- 一国の指導者の発言でも、世界の資産価格に連鎖的な影響が出る
短期的な相場の上下を完全に読み切ることはできませんが、少なくとも「なぜ市場がここまで反応しているのか」という構図を押さえておくことはできます。トランプ政権の関税政策と貿易戦略が今後どう修正されるのか、そして市場がそれをどう受け止めるのかは、2025年の世界経済を考えるうえで引き続き重要な焦点となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com







