トランプ政権がVOAなど米政府系メディアを一時停止 記者数百人が自宅待機に
トランプ政権、米政府系メディアを事実上「凍結」
米国のドナルド・トランプ大統領の政権は米国時間の土曜日、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)など米政府資金で運営される複数の放送局で働く記者やスタッフを一斉に休職扱いとし、オフィスへの立ち入りを禁じました。連邦政府機関の削減を掲げる方針の一環とみられ、国際ニュースの発信体制に大きな影響を与える可能性があります。
今回の動きのポイント
- VOA、ラジオ・フリー・アジア(RFA)、ラジオ・フリー・ヨーロッパ(RFE)の記者らが一斉に自宅待機に
- 米国グローバルメディア局(U.S. Agency for Global Media)が「不要な官僚機構」として大統領令に明記
- 同局トップのカリ・レイク氏は「連邦補助金はもはや機関の優先事項を実現していない」と説明
- ホワイトハウス報道担当官はSNSに20言語で「goodbye」と投稿し、波紋を呼んでいる
VOAなど記者数百人に「オフィス立ち入り禁止」のメール
報道によると、VOAやRFA、RFEなど米政府系の放送局で働く数百人規模の記者や編集者、技術スタッフらに対し、週末に一斉メールが送られました。メールには、
- 当面、オフィスへの立ち入りは禁止すること
- 記者証やビル入館証などのプレスパスを返却すること
- 公用携帯電話や貸与された機材を返却すること
などが記されていたとされ、事実上の業務停止命令となっています。
「不要な官僚機構」とされた米国グローバルメディア局
トランプ大統領は、その前日の金曜日に大統領令を発出し、VOAなどを所管する米国グローバルメディア局を、「大統領が不要と判断した連邦官僚機構の一部」と位置付けました。トランプ氏はすでに、米国の対外援助機関や教育省の予算や機能を大幅に削減してきており、今回の動きもそうした「小さな政府」を目指す流れの延長線上にあるとみられます。
カリ・レイク氏が示した理由
米国グローバルメディア局の運営を任されているのは、トランプ氏の強力な支持者として知られるカリ・レイク氏です。レイク氏はアリゾナ州のニュースキャスターを務めた後、米上院選に立候補して落選し、その後に同機関のトップに就任しました。
レイク氏は、自らが監督する各メディアに送ったメールの中で、連邦政府からの補助金について「もはや機関の優先事項を実現していない」と述べ、政府資金による活動を縮小・停止する方針を示しました。これは、政府の対外情報発信における役割の見直しを意味すると受け止められています。
ホワイトハウスからの「goodbye」投稿
ホワイトハウスの報道担当官ハリソン・フィールズ氏は、SNS「X」に20の言語で「goodbye」とだけ書かれた投稿を行いました。VOAは多言語でニュースを配信してきたことで知られており、この投稿はそうした活動を皮肉るメッセージだと見る向きもあります。
国際ニュースと報道の自由にとって何を意味するのか
VOAやRFA、RFEといった米政府系メディアは、米国内だけでなく、世界各地の人びとにニュースや情報を届けてきました。政府資金による対外放送は、米国の外交やイメージ発信、いわゆる「ソフトパワー」の一部とも考えられてきました。
今回の決定により、こうしたメディアの活動が長期的に縮小されるのか、一時的な措置にとどまるのかは、現時点では見通せません。ただ、
- 政府がメディア機関を「不要な官僚機構」として扱うことの是非
- 税金による国際放送をどこまで続けるべきか
- 記者や編集者の独立性や安全がどのように守られるのか
といった問いが、今後あらためて議論されることになりそうです。
日本を含む各国の読者にとっても、米国の対外発信のあり方は、世界のニュース環境や情報の流れに直接関わるテーマです。米国のメディア政策の変化が、どのように国際ニュースの姿を変えていくのか。今後の展開を注視する必要があります。
Reference(s):
Trump freezes U.S.-funded VOA, Radio Free Asia, Radio Free Europe
cgtn.com








