米国の関税引き上げが世界に波紋 企業に広がる不透明感 video poster
世界の貿易体制を揺さぶる国際ニュースが続いています。2025年1月に就任した米国のドナルド・トランプ大統領が打ち出した関税引き上げ策が、カナダや欧州連合(EU)、中国本土との関係に緊張を生み、企業活動にも不透明感を広げています。
トランプ政権の関税措置 ポイントはどこか
米メディアの報道によると、トランプ大統領は就任以降、複数の国や地域からの輸入品に対し、関税を課す、あるいは引き上げる方針を相次いで打ち出しています。対象として名指しされているのは、カナダ、欧州連合、中国本土です。
なかでも注目されているのが、中国本土から米国に輸入される製品に対する関税です。これまでの税率が2倍となり、現時点で20%の関税が課されることになりました。この急激な負担増により、多くの企業がビジネスモデルの見直しを迫られています。
今回の動きを整理すると、次のようになります。
- 2025年1月:トランプ氏が米大統領に就任
- 就任後:カナダ、欧州連合、中国本土に対する関税措置やその可能性を表明
- 中国本土からの輸入品:関税が従来の2倍の20%に引き上げ
企業が感じる不確実性 なぜビジネスが揺らぐのか
関税とは、輸入品にかけられる税金のことで、最終的には商品の価格や企業の利益に直接影響します。米国が主要な貿易相手に対して関税引き上げを打ち出したことで、世界中の企業が次のような不安を抱えています。
- 仕入れコストの上昇により、利益率が圧迫される
- 価格転嫁が難しく、消費者離れを招くおそれがある
- どの国・どの品目にどの程度の関税がかかるのか、先行きが読みにくい
とくに、サプライチェーン(部品や素材の調達から販売までの供給網)が国境をまたぐ製造業やテクノロジー企業にとって、突然の税負担増は事業計画を根本から見直さざるを得ない要因になります。
サンフランシスコ発 現場から見える影響
米西海岸のサンフランシスコからは、現地を取材する記者のリポートも伝えられています。スタートアップ企業やIT企業が集積する地域では、部品や完成品の輸入コストが読みづらくなったことで、投資計画を慎重に見直す動きも出ているとされています。
一部の企業は、関税の影響を小さくするために、調達先を分散したり、生産拠点を複数の国や地域に広げたりすることを検討しているとみられます。ただ、こうした対応には時間とコストがかかり、短期的には不安定な状況が続きそうです。
カナダ、欧州連合、中国本土との関係に緊張
今回の関税引き上げやその表明は、米国とカナダ、欧州連合、中国本土という主要なパートナーとの関係にも影響を与えています。これらはいずれも米国にとって重要な貿易相手であり、相互の経済は深く結びついています。
関税が長期化すれば、相手側が報復措置を検討する可能性も指摘されています。関税の応酬が続けば、貿易量の減少や世界経済の減速につながる懸念もあり、各国の政策担当者や企業は先行きを慎重に見守っている状況です。
日本やアジアにとっての意味
今回の米国の関税政策は直接にはカナダ、欧州連合、中国本土を対象としていますが、世界の貿易ネットワークは互いにつながっています。これらの地域を経由して部品や素材を調達している日本やアジアの企業にとっても、間接的な影響が出る可能性があります。
例えば、中国本土向けの生産拠点を利用して米国市場に製品を供給している企業は、追加関税により価格競争力が低下するおそれがあります。また、欧州連合やカナダ向けの輸出にも、世界的な需要減や為替の変動といった形で影響が波及することが考えられます。
これから数カ月、何に注目すべきか
2025年も終わりに近づくなか、トランプ政権の関税政策は今後の国際ニュースの重要なテーマであり続けそうです。今後数カ月で注目されるポイントとしては、次のような点が挙げられます。
- 米国が関税をさらに拡大するのか、それとも交渉による緩和に動くのか
- カナダ、欧州連合、中国本土などが、報復措置や新たな協議の場をどのように設計するのか
- 企業がサプライチェーンの再構築をどこまで進めるのか
- 消費者物価や雇用にどの程度の影響が現れるのか
関税は、一見すると遠い世界の話に思えるかもしれません。しかし、輸入品の価格や企業業績、ひいては私たちの日々の暮らしにもつながるテーマです。ニュースを追いながら、自分の仕事や生活との接点を意識して見ることで、世界経済の動きをより立体的に捉えられるようになるはずです。
Reference(s):
U.S. tariff hikes spark global tensions and business uncertainty
cgtn.com








