トランプ政権がケネディ暗殺文書を公開 約6万3000ページの未編集資料
ジョン・F・ケネディ元米大統領の暗殺事件をめぐる未編集の機密文書が、ドナルド・トランプ政権によって一挙に公開されました。数十年にわたって待たれてきた資料公開は、いまも根強く残る陰謀論や米国政治への信頼をどう揺さぶるのでしょうか。
トランプ政権、ケネディ暗殺文書を公開
トランプ政権は現地時間の火曜日、ジョン・F・ケネディ元大統領の暗殺に関する未編集文書を公開しました。対象となったのは約2,200件のファイルで、総ページ数は6万3000ページを超えます。これらは、米国立公文書館資料管理局のウェブサイトに掲載されました。
今回公開されたのは、これまで一部が黒塗りにされていたり、一般には見られなかった記録です。長年の関心を集めてきたケネディ暗殺事件の全体像に、さらに肉付けをする可能性があります。
膨大なコレクションのうち、残っていた一部を開示
ケネディ暗殺をめぐる資料は、これまでも段階的に公開が進んできました。米国立公文書館が保管する関連資料は、記録文書や写真、映像、音声記録、関連する資料などを合わせて600万ページ以上にのぼります。
その膨大なコレクションの大部分はすでに公開済みで、今回の未編集文書は、残っていた一部を新たに開示したかたちです。
- 新たに公開されたファイル数 約2,200件
- 新たに公開されたページ数 6万3000ページ超
- 公文書館の関連資料総数 600万ページ超
トランプ氏は前日、ワシントンのジョン・F・ケネディ・センターを訪問中に記者団に対し、近く文書公開を行うと予告していました。本人はその時点で約8万ページ規模になると見積もっており、大量の資料があり、読むべきものが多いという趣旨の発言もしています。
数十年待たれた公開 大統領令で機密解除へ
トランプ氏は、人々がこの文書公開を何十年も待ち続けてきたと強調しています。ケネディ暗殺に関する記録は、長らく国家安全保障などを理由に全面公開が見送られてきましたが、公開を求める声は米国内で根強く続いてきました。
今年1月23日、トランプ氏は大統領令に署名し、ケネディ元大統領だけでなく、弟のロバート・F・ケネディ氏や、公民権運動指導者マーティン・ルーサー・キング・ジュニア氏の暗殺に関連する残りの文書についても、機密解除を進める方針を示しました。今回の公開は、その流れの中で位置づけられます。
ケネディ暗殺とは 事件の概要
ジョン・F・ケネディ氏は、米国第35代大統領として1960年代初頭に在任しました。1963年11月22日、テキサス州ダラスを遊説中、オープンカーでのパレードの最中に銃撃され、暗殺されました。
リー・ハーヴェイ・オズワルドが殺害容疑で逮捕されましたが、そのオズワルド自身が事件から2日後に射殺されたこともあり、事件の背景をめぐっては現在に至るまでさまざまな陰謀論が語られ続けています。
今回の未編集文書は、こうした長年の疑問や推測に対し、新たな手がかりを提供する可能性があります。一方で、新しい情報がさらに別の疑問を呼ぶことも考えられ、どのような読み解きがなされるかが注目されます。
情報公開は何をもたらすか 信頼と陰謀論のあいだで
国際ニュースとして見たとき、今回のケネディ暗殺文書公開には、少なくとも三つの意味があると考えられます。
- 政府への信頼の再構築
長期にわたる機密文書の公開は、政府が過去の出来事について説明責任を果たそうとしているというメッセージでもあります。完全ではなくとも、情報を積極的に開示する姿勢は、政治への信頼回復につながる可能性があります。 - 陰謀論との距離感
ケネディ暗殺は、世界で最も有名な陰謀論の題材の一つです。文書公開は、一部の推測を否定する材料になると同時に、新たな読み方を生み出す土壌にもなり得ます。 - アーカイブとデジタル公開の時代
今回の文書は、米国立公文書館資料管理局のウェブサイトを通じて公開されました。膨大な歴史資料をオンラインで公開し、誰もがアクセスできるようにする動きは、デジタル時代の民主主義の基盤の一つとも言えます。
日本の読者への問い 歴史資料とどう向き合うか
日本からこのニュースを見るとき、単なる米国の歴史事件として片付けることもできますが、そこには私たち自身に返ってくる問いも含まれています。
- 国家が保有する歴史的な機密情報は、いつ、どのような条件で公開されるべきか
- 情報公開は、社会の分断や陰謀論の拡大を抑える方向に働くのか、それとも新たな疑念を生むのか
- デジタル化された公文書や記録に、私たちはどのようにアクセスし、読み解き、日々の判断に生かしていくべきか
トランプ政権によるケネディ暗殺文書公開は、ひとつの歴史事件を超えて、情報と権力、記憶と記録の関係を考え直すきっかけを与えてくれます。通勤時間のわずかなスキマでも追える国際ニュースとして、そしてじっくり読み込めば考える素材が尽きないテーマとして、日本語でどう受け止めるかが問われています。
Reference(s):
Trump administration releases Kennedy assassination documents
cgtn.com








