ウクライナ防衛へ有志連合構想 英で約30カ国軍トップが協議
英国で約30カ国の軍トップが集まり、ウクライナ防衛を支える有志連合の構想を協議しました。米露首脳の和平協議の動きと並行して、欧州の安全保障のあり方が問われています。
英国で約30カ国の軍トップが協議
木曜日に英国で開かれた会合には、約30カ国の軍のトップが参加し、今後ウクライナを守るための「有志連合」がどのように機能するのか意見を交わしました。参加国にはフランス、ポーランド、オランダ、ルーマニア、カナダ、オーストラリア、アメリカなどが含まれます。
英国はフランスとともに、西側諸国によるウクライナ支援を主導してきました。背景には、アメリカのトランプ大統領がロシアのプーチン大統領との協議を始め、欧州に衝撃を与えたことがあります。
政治的合意から具体的な防衛計画へ
スターマー氏は、これまでの各国首脳級の会合で「結ばれるいかなる合意も、共同で守らなければならない」という点で一致してきたと説明しました。
そのうえで、今回の会合では、こうした政治的意思を現実の計画に落とし込むことが目的だと強調しました。海上、空、地上でどのような事態が起きても対応できるよう、具体的なシナリオや役割分担を詰めていく段階に入ったという位置づけです。
英首相官邸筋の話として伝えられたところでは、この動きは「運用段階」への移行を意味するとされています。
抑止のメッセージと米国の関与
スターマー氏は、こうした安全保障の枠組みについて「ロシアに対し、合意が破られれば深刻な結果を招くことを明確にするためのものだ」と述べました。そのうえで「だからこそ、アメリカの関与が必要だ」とも語り、米国の役割の重要性を強調しました。
一方で、アメリカは現時点で、ウクライナ領内に西側諸国の軍事プレゼンスを置く構想への支援については、明確なコミットメントを避けているとされています。欧州側が連携を深める中で、どこまで米国が関与するのかは大きな焦点です。
ロシア側は「欧州の軍事化」と反発
これに対し、ロシア大統領府のペスコフ報道官は木曜日、欧州諸国が和平ではなく「軍事化」に向かっていると批判しました。ペスコフ氏は「欧州は自らを軍事化し、ある種の戦争勢力になってしまった」と記者団に述べています。
西側がウクライナ防衛の枠組みを固めようとする動きと、ロシア側の警戒や反発が、互いに不信感を高める危険性も指摘されています。
リヤドでの米露協議とウクライナの懸念
ロシア大統領補佐官のウシャコフ氏は、ウクライナ問題をめぐる次回の米露協議が、サウジアラビアの首都リヤドで月曜日に行われる予定だと明らかにしました。
その直前の火曜日には、トランプ大統領とプーチン大統領が電話会談を行い、ウクライナ和平に向けた「最初の一歩」となる内容で合意したとされています。
しかし、ウクライナ側は自国が和平協議に直接参加する必要があると改めて主張しており、主要な欧州諸国もこの立場を支持していると伝えられています。ウクライナ抜きで進む米露協議への警戒感は根強いものがあります。
問われる欧州の役割と和平プロセス
英国での軍事協議と、リヤドで予定される米露協議は、次のような課題を同時に浮かび上がらせています。
- 将来の和平合意を実際に守るための安全保障メカニズムをどう設計するか
- 米国の関与を得つつ、欧州としてどこまで主体的に動けるか
- 当事者であるウクライナを、和平プロセスにどう組み込むか
軍事的な抑止力を強める動きと、外交的な解決を探る対話の場が同時並行で進む中、欧州とアメリカ、ロシア、そしてウクライナそれぞれの思惑がどのように交差していくのかが今後の焦点です。
ウクライナ防衛のための有志連合構想が、地域の安定に向かうのか、それとも対立を深めるのか。各国がどのようなバランスを選ぶのかを、引き続き注視する必要があります。
Reference(s):
Military leaders discuss Ukraine defense plans in UK meeting
cgtn.com








