米連邦判事、トランプ政権のベネズエラ移民即時送還を阻止 審理の権利を確認 video poster
米国の移民政策をめぐる国際ニュースで、新たな動きです。トランプ政権が戦時立法を使ってベネズエラからの移民を審理なしに送還しようとしていた計画について、連邦判事が今年3月24日、差し止めを維持する判断を示しました。
連邦判事「移民にも審理を受ける権利」
今回の裁判で争点となったのは、1798年に制定された「Alien Enemies Act(敵性外国人法)」を使い、ベネズエラ出身の移民を「敵性外国人」とみなして迅速に国外退去させられるかどうかでした。
判事は、政府側が求めていたこの法律の適用拡大を認めず、移民には個別の審理や聴聞会を受ける権利があると指摘しました。これにより、トランプ政権による即時送還の試みは、少なくとも当面は進められないことになります。
18世紀の戦時立法を現代の移民政策に適用
Alien Enemies Actは、18世紀末の米国が戦時を想定して制定した古い法律で、本来は戦争状態にある国の出身者を対象としたものとされています。今回トランプ政権は、この戦時立法を根拠に、ベネズエラからの移民を通常の移民手続きとは別枠で扱おうとしていました。
しかし、判事は「戦時立法であっても、対象となる人々の基本的な権利を完全に無視することはできない」との立場を示した形です。これは、米国憲法が保障する適正手続き(デュー・プロセス)の原則をどう解釈するかという、より大きな議論にもつながっています。
移民に厳しいトランプ政権への「痛手」
今回の判断は、移民に厳しい姿勢を強めるトランプ政権にとって、また一つの痛手となりました。政権はここ最近、国境管理の強化だけでなく、すでに米国に滞在している人々への監視も強めているとされています。
永住権・ビザ保持者への監視強化
報道によると、トランプ政権はグリーンカード(永住権)や各種ビザを持つ人々についても、これまで以上に厳しいチェックを行っており、特に政府と異なる政治的な意見を示したことがないかどうかに注目しているとされています。
こうした動きに対しては、「政治的な考え方を理由に、在留資格が脅かされるのではないか」という懸念も出ています。今回の判決は、そのような不安を抱える移民や家族にとって、一定の安心材料となる可能性があります。
判決が投げかける問い
今回の判決は、米国の移民政策と法の支配のバランスについて、いくつかの重要な問いを投げかけています。
- 安全保障や危機対応を理由に、どこまで人権や適正手続きを制限できるのか
- 200年以上前の戦時立法を、現代の移民・難民問題にどのように位置づけるべきか
- 政治的な意見や信念が、入国・在留の判断材料になり得るのか
これらの論点は、米国だけでなく、移民や難民を受け入れている多くの国・地域に共通するテーマでもあります。
今後の行方と私たちが注目すべき点
トランプ政権側が今回の判断に不服として、上級審に訴える可能性も指摘されています。裁判の行方次第では、移民政策の方向性や、今後の法解釈に大きな影響が出るかもしれません。
日本からこのニュースを見る私たちにとっても、以下の点は考えるヒントになりそうです。
- 危機や非常時を理由に、どこまで例外的な法律運用を認めるべきか
- 移民や難民に対する社会のまなざしが、法制度や政治にどう反映されるのか
- 「安全」と「権利」のバランスを、誰がどのように決めていくのか
移民政策をめぐる議論は、日本でもこれから一層重要になると考えられます。米国で起きていることを、日本社会を考える材料として静かに踏みとどまって見ていくことが求められています。
Reference(s):
Judge rules migrants should get hearings; blow to Trump deportations
cgtn.com








