韓国・李在明氏が選挙法違反で無罪 次期大統領選レースに追い風
韓国の最大野党である民主党を率いる李在明(イ・ジェミョン)氏が、公職選挙法違反の罪について控訴審で無罪判決を受けました。これにより、李氏は国会議員の地位と次の大統領選への道を守り、韓国政治の行方に大きな影響を与えそうです。
控訴審で無罪判決 1審判決を覆す
ソウル高裁は水曜日、李在明氏に対する公職選挙法違反の有罪判決を取り消し、無罪とする判断を示しました。裁判所は、李氏が前回の大統領選挙の期間中に虚偽の事実を述べたとは認められないと判断しました。
李氏は昨年11月、ソウル中央地裁で懲役1年、執行猶予2年の判決を受けていました。検察は1審と控訴審のいずれでも懲役2年を求刑していましたが、高裁はこれを退けた形です。
韓国の法律では、公職選挙法違反で100万ウォン(約680ドル)を超える罰金刑が最高裁で確定すると、議員資格を失い、10年間は選挙に立候補できません。今回の無罪判決により、少なくともこの事件をめぐる最大のリスクは取り除かれたことになります。
何が公職選挙法違反とされたのか
李氏は2022年、選挙期間中の発言をめぐって起訴されました。問題となったのは、2021年12月に大統領選の民主党候補として臨んだメディアインタビューでの発言です。
当時、李氏は、自身が2010年から2018年まで市長を務めた城南市の都市開発公社に所属していた幹部職員について、記憶がないとして関係性を否定しました。検察は、都市開発公社が関わったとされる土地開発事業の汚職疑惑から距離を置くため、李氏が有権者に対して虚偽の説明をしたと主張していました。
さらに検察は、李氏が2021年10月に京畿道知事として出席した国会の国政監査での発言も問題視しました。李氏は、2015年に城南市長として別の土地開発事業の用途地域の指定を変更した際、当時の保守政権の国土交通省から圧力や脅しを受けたと説明しました。
検察は、国土交通省からの脅しは存在しなかったと主張しましたが、李氏は表現が誇張されていたことは認めつつも、国土交通省から城南市に対する強い圧力があったと強調してきました。
李在明氏の立場を一段と固める判決
李在明氏は、2022年の大統領選挙で弾劾された尹錫悦大統領に対し、韓国史上最も僅差とされる接戦の末に敗れました。それでも、次の大統領選で最有力候補の一人であるとの見方は根強く、今回の無罪判決はその評価をさらに強めるものと受け止められています。
無罪となったことで、李氏は国会議員としての地位を維持し、最大野党の党首として政権与党に対抗し続けることができます。また、法的なハードルが一つ取り除かれたことで、次の大統領選への出馬に向けた準備を本格化させやすくなりました。
韓国の政権が変われば、国内の経済政策だけでなく、日本との関係や北東アジアの協力枠組みにも影響が及ぶ可能性があります。その意味で、李氏の進退は日本にとっても無関係ではありません。
世論調査が示す支持の広がり
地元の世論調査会社フラワーが実施した調査によると、次の大統領選で「民主党の候補に投票する」と答えた有権者は49.6パーセントに上りました。一方で、与党「国民の力」の候補に投票すると答えた人は29.5パーセントにとどまりました。
同じ調査では、民主党の大統領候補として誰を支持するかについても尋ねており、李在明氏を支持すると答えた人は85.5パーセントに達しました。党内では圧倒的な存在感を維持していることがうかがえます。
調査は有権者3004人を対象に3月17日から20日にかけて行われ、誤差はプラスマイナス1.8ポイント、信頼水準は95パーセントとされています。今回の無罪判決を受けて、今後の世論がどのように動くのかも注目されます。
裁判所の外で続く対立する声
判決の日、裁判所周辺では李氏の支持者と批判する人々が別々の場所に集まり、対照的なスローガンを叫び合いました。支持者たちは「李在明は無実だ」と書かれたプラカードを掲げ、無罪を訴えました。一方、批判的な人々は「刑務所に行け、在明」と書いた掲示物を掲げ、厳罰を求めました。
同じ判決を前にしても、評価は大きく割れています。無罪判決が出たからといって、政治的不信や社会の分断がすぐに解消されるわけではないことを象徴する光景です。
これから何に注目すべきか
今回の無罪判決は、李在明氏にとって大きな勝利であると同時に、韓国の司法と政治の関係をあらためて問う出来事でもあります。今後、検察が最高裁への上告を検討するかどうか、そして政界全体がこの判決をどう受け止めるかが次の焦点となりそうです。
次の大統領選に向けては、経済格差の是正や若年層の雇用、福祉政策、外交や安全保障など、さまざまな課題が争点になるとみられます。今回の判決は、そのスタートラインに誰が立つのかを左右する重要な一歩でした。日本の読者としても、隣国のリーダー選びの行方を中長期的な視点で追いかけていきたいところです。
Reference(s):
South Korean opposition leader acquitted of election law violation
cgtn.com








