アルジェリア、モロッコ外交官を追放 外交緊張と西サハラ問題【国際ニュース】
アルジェリア外務省がモロッコの外交官をペルソナ・ノン・グラータ(受け入れ拒否)と宣言し、48時間以内の退去を求めました。北アフリカの二国間関係と西サハラ問題をめぐる緊張が、あらためて国際ニュースの焦点になっています。
今回の動きは、アルジェリアとモロッコの関係がここ数年悪化している中で起きており、地域の安定や経済協力への影響が注目されています。
モロッコ外交官をペルソナ・ノン・グラータに
アルジェリア外務省は木曜日、首都アルジェのモロッコ大使館に対し、オランにあるモロッコ経済ミッションの次長を務めるモハメド・エルスフィアニ氏をペルソナ・ノン・グラータと宣言したと通知しました。
公式発表によると、エルスフィアニ氏は「外交官としての任務と両立しない疑わしい活動」に関与したとされ、国内法や国際規範、そして外交関係に関するウィーン条約に違反したとアルジェリア側は主張しています。
アルジェリアは同氏に対し、国内から48時間以内に出国するよう命じました。声明は、疑わしい活動の具体的な内容については明らかにしていません。
ペルソナ・ノン・グラータとは何か
ペルソナ・ノン・グラータは、外交の世界で用いられるラテン語で、好ましからざる人物を意味します。受け入れ国が、ある外交官をこれ以上受け入れられないと判断した際に使われる措置です。
外交関係に関するウィーン条約では、受け入れ国は理由を明示しなくても、いつでも外交官をペルソナ・ノン・グラータに指定できると定められています。この宣言を受けた側は、該当する人物を一定期間内に帰国させるか、その任務を終了させなければなりません。
今回アルジェリアが48時間という短い期限を設定したことは、この事案に対する不満や警戒感が相当に強いことを示していると見ることもできます。
背景にあるアルジェリアとモロッコの緊張
アルジェリアとモロッコの関係は、ここ数年、地域紛争を背景に緊張が続いています。とくに、西サハラの帰属をめぐる問題は、両国の対立を深める大きな要因となってきました。
今回のペルソナ・ノン・グラータ宣言は、西サハラを含む一連の対立の延長線上で起きたものと受け止められており、すでに冷え込んでいる二国間関係にさらに負荷をかける可能性があります。
2025年12月現在も、北アフリカの政治や安全保障環境は流動的であり、アルジェリアとモロッコの関係は地域全体の安定に影響し得る重要な要素になっています。
国際法と外交慣行から見る今回の動き
今回のケースには、次のようなポイントがあります。
- ウィーン条約は、外交官の保護とともに、受け入れ国が外交官を受け入れない権利も認めています。
- ペルソナ・ノン・グラータ宣言は、関係断絶までは至らないものの、強い不満や抗議の意思表示として位置づけられます。
- 理由を具体的に公表しないことは珍しくなく、今回も詳細は明らかにされていません。
こうした措置は、多くの場合、相手国との間で事実関係の認識に違いがあるまま進むこともあり、真相が完全に公になるとは限りません。一方で、国内外に向けて強いメッセージを発する外交手段としても用いられます。
今後の焦点はどこか
今回の決定を受けて、今後注目されるポイントは次の通りです。
- モロッコ側が、アルジェリアの動きに対してどのような外交的対応を取るのか。
- オランのモロッコ経済ミッションや、両国間の経済協力にどの程度の影響が出るのか。
- 西サハラ問題を含む地域情勢に、追加の緊張や外交的な駆け引きが生じるのか。
アルジェリアとモロッコは、ともに北アフリカを代表する重要な国であり、その関係はエネルギー、安全保障、移民など多くのテーマと密接に結びついています。今回のペルソナ・ノン・グラータ宣言が短期的な外交上のエピソードにとどまるのか、それとも長期的な対立の一段階として記憶されるのかは、これからの外交の動きにかかっています。
デジタルネイティブ世代にとっても、こうした国際ニュースを追うことは、地政学や国際法を理解する入り口になります。アルジェリアとモロッコの動きは、今後も国際ニュースとして継続的にウォッチしていきたいテーマと言えます。
Reference(s):
cgtn.com








