米国で中国本土製船舶への追加関税案 産業団体が強い懸念 video poster
米国で、中国本土製の船舶が米国の港に入港する際に追加の料金を課す構想が進んでいます。先週には、複数の労働組合と業界団体が米通商代表部(USTR)に反対の請願書を提出し、短期的に米産業全体へ深刻な影響が出ると警鐘を鳴らしています。
背景:大統領令草案で造船業を支援
ロサンゼルス発のCGTNの報道によると、米政権は現在、中国本土で建造された船舶が米国の港に寄港する際に追加の料金を徴収する大統領令の草案を準備しています。
徴収された資金は、米国内の船舶建造産業を強化するための財源として用いることが想定されており、事実上の保護策として位置づけられています。
労組と業界団体がUSTRに提出した請願の中身
こうした動きに対し、複数セクターにまたがる数十の業界団体を代表する労働組合が、先週USTRに請願書を提出しました。
請願書では、次のような懸念が示されているとされています。
- 中国本土製の船舶に追加料金を課すことで、米国の港を利用するコストが上昇するおそれがあること
- 海運コストの上昇が、輸出入に依存する幅広い産業の利益を圧迫する可能性があること
- 突然の制度変更が、すでに組まれている物流や契約に混乱をもたらすリスクがあること
専門家が指摘する「壊滅的」影響とは
CGTNの取材に応じた専門家は、こうした追加料金が短期的に他の米産業にとって「壊滅的」な結果を招きかねないと警告しています。
その背景には、次のような構図があります。
- 世界の物流の多くが海上輸送に依存しており、船舶への新たな負担はサプライチェーン全体に波及しやすいこと
- 輸入コストの上昇が、消費者物価や企業の収益を圧迫し、景気の下押し要因になり得ること
- 短期間で代替となる船舶や輸送手段を確保するのは難しく、調整期間中に混乱が拡大するおそれがあること
保護とコストのバランスはどこに
今回の構想は、米国内の造船業を支えるという狙いがある一方で、その費用を誰がどのような形で負担するのかが大きな論点になっています。
追加料金が船会社に転嫁されれば、最終的には輸出入企業や消費者がコストを負担する形になる可能性が高く、業界団体が慎重な検討を求めているのはこのためです。
日本やアジアの企業への波及も
米国の港湾政策は、日本やアジアの企業にとっても無関係ではありません。中国本土製の船舶は国際物流の重要な一角を担っており、米国の港でのコスト構造が変われば、日本企業の対米輸送コストや物流戦略にも影響が及ぶ可能性があります。
今回の請願と大統領令草案をめぐる議論は、単に米国と中国本土の関係にとどまらず、グローバルなサプライチェーン全体の安定性をどう確保するかという、より大きな問いを投げかけています。
今後、USTRや米政権がどのような判断を下すのか、そして産業界の声がどこまで反映されるのかが、2025年末時点での重要な注目点になっています。
関連ハッシュタグ:#米国経済 #通商政策 #海運 #中国本土
Reference(s):
Groups concerned about more potential tariffs on China-made vessels
cgtn.com








