中国が米国の「相互主義」関税に強く反発 WTO違反と批判
米国が相互主義を名目に多くの国からの輸入品に対する関税を引き上げたことに対し、中国側が強く反発しています。在米中国大使館と中国の駐英国大使 Zheng Zeguang 氏が、世界貿易機関(WTO)のルールに反するとして相次いで批判の声を上げました。
米国の相互主義関税とは何か
米国は、中国を含む多くの国からの輸入品に対し「相互主義」を掲げて関税の引き上げを発表しました。米国側は、国際貿易で損失を被ってきたと主張し、その損失を埋め合わせるための措置だと説明しています。
しかし中国側は、この「相互主義」関税は、長年の多国間貿易交渉によって形成されてきた利益のバランスを一方的に崩すものだと見ています。
在米中国大使館「典型的な一方的ないじめ」
在米中国大使館は声明で、米国の関税引き上げはWTOルールを重大に違反し、ルールに基づく多角的な貿易体制を損なうものであると強く批判しました。
- 米国は長年、国際貿易から多大な利益を得てきたという事実を無視している
- 多国間交渉で積み重ねてきた「利益の均衡」を軽視している
- 今回の関税措置は「典型的な一方的ないじめ」にあたる
声明はまた、米国に対し「誤ったやり方」を直ちにやめ、中国や他の国々との貿易摩擦は平等と相互尊重、互恵の精神に基づく協議で解決すべきだと呼びかけました。
また中国側は、米国の相互主義関税をめぐってWTOに提訴する動きも見せており、国際ルールに基づく紛争解決を図る姿勢を前面に出しています。
ロンドンでZheng Zeguang 駐英大使が警鐘
英国ロンドンで開かれた、中国による初の人民元建てソブリン・グリーンボンド発行を祝う式典に出席した中国の Zheng Zeguang 駐英大使も、米国の関税方針に強い懸念を示しました。
Zheng 大使は、関税を「武器」として使うことはWTOルールに深刻に反し、多角的な貿易システムを著しく損ない、すべての関係国の利益に大きな打撃を与えると指摘しました。
そのうえで、現在の状況下では国際社会が一層緊密に連携し、米国による一方的で保護主義的な通商措置や「貿易いじめ」の動きを拒み、世界の貿易システムを安定させるべきだと訴えました。
Zheng 大使はまた、中国は米国による中国への追加関税計画に断固反対しており、自国の正当な利益を守るために断固たる対抗措置を取ると強調しました。中国側は、米国製品すべてに対して追加で34%の関税を課す方針も示しています。
エスカレートする関税と世界貿易へのリスク
在米中国大使館と Zheng 大使の発言はいずれも、WTOルールと多角的貿易体制の維持を強く意識した内容になっています。関税を通じて一方的に圧力をかけ合う応酬が続けば、企業や家計のコスト増を通じて世界経済全体に波及しかねません。
とくに、
- 米中両国が互いに追加関税を応酬する展開になるのか
- WTOという枠組みの中でどこまで紛争解決が機能するのか
- 他の国や地域がどのような立場を取るのか
といった点が、今後の国際経済を左右する重要な焦点となります。
今回の相互主義関税をめぐる動きは、国際ルールに基づく貿易体制を維持するのか、それとも各国が自国優先の保護主義へと傾いていくのかという、大きな岐路に世界が立たされていることを映し出しています。
Reference(s):
cgtn.com








