EUが米国製品に25%報復関税案 鉄鋼・アルミ関税への対抗措置
欧州連合(EU)が、米国による欧州産鉄鋼・アルミへの追加関税に対抗し、一部の米国製品に25%の報復関税を課す案をまとめました。国際ニュースとして、今後のEU・米国関係と世界経済への影響が注目されています。
EUが検討する25%の報復関税案
ロイターやブルームバーグによると、EUは月曜日、域内加盟国向けの内部文書で、一部の米国製品に25%の追加関税をかける案を提示しました。これは、ドナルド・トランプ米大統領が欧州産の鉄鋼とアルミニウムに追加関税を決めたことへの対抗措置です。
報復関税の一部は、5月16日から発効する予定だとロイターは伝えています。対象となる品目は幅広く、以下のような日用品から高級品まで含まれます。
- ダイヤモンド
- 卵
- デンタルフロス(歯間清掃用の糸)
- ソーセージ
- 鶏肉などの家禽類
一方、かつて検討されていたバーボンウイスキー、ワイン、乳製品などは、最終的な対象リストから外れたと報じられています。EUは、象徴性と経済的な影響のバランスを取りながら、品目の組み合わせを調整しているとみられます。
背景:トランプ米大統領の追加関税
今回のEUの動きの背景には、トランプ米大統領による一連の輸入関税措置があります。27カ国からなるEUは、米国による以下のような関税に直面しています。
- 欧州産の鉄鋼・アルミニウムへの25%の輸入関税
- 自動車への25%の関税
- それ以外のほぼすべての品目に対し、水曜日から20%の幅広い関税
トランプ氏は、米国製品への輸入障壁が高いとみなす国や地域に対し、強硬な通商政策を取る方針を示しています。これに対してEUは、自らの単一市場と産業を守るため、対抗措置の準備を進めている状況です。
決定プロセスと今後のスケジュール
欧州委員会の通商・経済安全保障を担当するマロシュ・シェフチョビッチ欧州委員は、月曜日に、EUの対抗措置リストが加盟国に回覧されることを確認しました。報道によると、最初の報復措置については次のようなスケジュールが示されています。
- 4月9日:報復関税第1弾に関する採決
- 4月15日:第1弾措置の実施開始
- 5月16日:一部品目で25%関税が実際に適用開始
欧州委員会は、月曜夜の声明で、今回の25%報復関税の第1弾は、広範な20%関税全体ではなく、あくまで米国の鉄鋼・アルミ関税に対応するものだと説明しました。つまり、EUは現時点で、対抗措置の焦点を鉄鋼・アルミ分野に絞る形を取っています。
EUのメッセージ:交渉を優先しつつ「あらゆる手段」の用意
シェフチョビッチ氏は、EUとしてはあくまで交渉による解決を優先したいとの姿勢を示しつつも、必要であれば強い対抗措置も辞さない構えを強調しました。
同氏は、EUが持つ通商防衛の手段について、
「EU単一市場と、EUの生産者・消費者を守るため、我々は通商防衛のあらゆる手段を使う用意がある」
と述べています。ここでいう通商防衛の手段には、追加関税だけでなく、世界貿易機関(WTO)への提訴や、他のパートナーとの連携強化など、さまざまな選択肢が含まれると考えられます。
なぜこの報復関税が重要なのか
今回のEUと米国の応酬は、二つの大きな経済圏の間で通商摩擦が一段と強まる可能性を示しています。関税が引き上げられれば、次のような影響が懸念されます。
- 米国からEUへの輸出企業にとってコスト増となり、収益圧迫要因になる
- EU域内の企業や消費者にとっては、一部の輸入品の価格上昇につながる可能性
- 鉄鋼、自動車などグローバルなサプライチェーン(供給網)に不確実性が広がる
ダイヤモンドや加工食品といった消費財がターゲットに含まれていることから、政治的なメッセージ性だけでなく、消費者行動やブランドにも影響が及ぶ可能性があります。
日本やアジアの企業にとっても、EUと米国の間で関税が引き上げられれば、サプライチェーンの見直しや投資計画の変更を迫られるリスクがあります。直接の当事者でなくとも、大きな経済圏同士の通商摩擦は、世界経済全体の不透明感を高める要因となり得ます。
これから何を注視すべきか
今回の国際ニュースで重要なのは、関税の数字そのものだけでなく、EUと米国がどこまで交渉で歩み寄れるかという点です。読者としては、次のポイントを追っていくと状況を整理しやすくなります。
- 4月から5月にかけて予定されているEUの採決と発動が、計画通り進むかどうか
- 米国側がさらに追加の関税措置や譲歩案を打ち出すかどうか
- WTOなど多国間の枠組みが、この対立の行方にどう関わるか
EUが掲げる「交渉を望むが、あらゆる手段も辞さない」というメッセージは、対話と圧力を同時に用いるバランスをどう取るのか、という現代の通商政策の難しさを映し出しています。ニュースを追いながら、自分ならどこで折り合いをつけるべきだと思うのか、一度立ち止まって考えてみる価値がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








