EUが米国に初の報復関税 約200億ユーロの輸入品に最大25%
欧州連合(EU)がトランプ米大統領による鉄鋼・アルミへの追加関税に対抗し、約200億ユーロ規模の米国製品に初の報復関税を承認しました。国際ニュースとして、2025年12月現在も続く米欧の貿易摩擦が世界経済にどのような影響を及ぼしうるのかが注目されています。
EU、約200億ユーロ分の米国製品に報復関税
欧州委員会は、米国の関税攻勢への対抗措置として、米国からの輸入品およそ200億ユーロ(約240億ドル)超を対象に新たな関税を課すことを決定しました。対象品目には、大豆、オートバイ、化粧品など、農産品から工業製品まで幅広い商品が含まれ、多くの品目で関税率は25%に設定されます。
欧州委員会は声明で、米国による鉄鋼・アルミへの追加関税は正当化できず、米欧双方だけでなく世界経済にも損害を与えると指摘し、今回の措置はその影響を緩和するための対抗策だと説明しています。
3段階で導入される報復関税
欧州委員会が提示した計画では、EUの報復関税は3段階で導入されます。対象となる輸入品の総額は、2024年時点で約220億ユーロに達していたとされています。
- 第1弾(来年4月15日導入予定):クランベリーやオレンジジュースなどの農産品
- 第2弾(来年5月16日導入予定):鉄鋼、肉類、ホワイトチョコレート、ポリエチレンなど
- 第3弾(来年12月1日導入予定):アーモンドや大豆などの農産品
このように、EUは農業分野から工業製品まで、米国側の政治・経済的な影響力が及びやすい分野を幅広く狙うことで、交渉のテーブルに引き出す狙いがあるとみられます。
まだ対応していない米国の新たな関税
一方で、今回のEUの対抗措置は、米国が最近打ち出した追加措置にはまだ対応していません。米国は今週水曜日、EUからの全ての輸出品に対して20%の「相互」関税を発動したほか、自動車に対しても25%の関税を課しています。トランプ政権はさらに、医薬品への追加関税も検討していると警告しています。
つまり、今回のEUの報復関税は主に鉄鋼・アルミへの関税に対するものであり、その後に相次いだ米国の新たな措置には「まだ追いついていない」状態だと言えます。今後、EUが追加の対抗策に踏み切るかどうかが新たな焦点となります。
EUはあくまで「交渉による解決」を優先
欧州委員会は、米国との対立をエスカレートさせることが目的ではないと強調しています。声明では、EUは米国とバランスが取れ、互恵的な交渉による解決を見いだすことを望んでおり、今回の対抗措置も交渉を促す圧力手段の一つだと位置づけています。
また、欧州委員会は、米国側が公平でバランスの取れた合意に応じるのであれば、これらの報復関税はいつでも停止できるとしています。報復し続けることではなく、交渉を通じた着地点をどう見いだすかがEUの重点だといえます。
世界経済と日本への含意
今回のEUと米国の関税応酬は、単なる二者間の問題にとどまらず、グローバルなサプライチェーンや投資の流れにも影響を与える可能性があります。特に、自動車や化学品、農産物などは国境をまたぐ取引が多く、日本企業やアジアの生産ネットワークも無関係ではありません。
- 相互関税の応酬が続けば、企業は価格上昇や需要減少のリスクに直面する
- 不確実性の高まりは、新規投資や雇用計画の慎重化につながりやすい
- 貿易ルールや紛争解決の枠組みをどう再構築するかが、各国に共通する課題となる
2025年の今、国際ニュースとしての関税問題は「どちらが勝つか」というゼロサムの視点だけでなく、長期的に安定した貿易環境をどう守るかという視点からも捉える必要があります。EUと米国の交渉の行方は、日本を含む世界の経済とビジネスにもじわじわと影響していく可能性があります。
Reference(s):
EU greenlights first tariffs on €20b of U.S. goods in retaliation
cgtn.com








