イエメン・フーシ派がテルアビブへのドローン攻撃を主張 米軍は北イエメン空爆を拡大
イエメン北部を実効支配するフーシ派武装組織が、イスラエル中部テルアビブの軍事目標に対するドローン攻撃を行ったと発表しました。一方で、ヨルダン軍や米軍も関連する動きを公表しており、ガザ情勢をめぐる緊張が中東全域に広がるリスクが改めて浮き彫りになっています。
テルアビブの軍事目標を狙ったとするドローン攻撃
イエメンのフーシ派は現地時間の金曜日、イスラエル中部の都市テルアビブにある2つのイスラエル軍の目標に対して、ドローン2機を用いた「質的な軍事作戦」を実施したと発表しました。
フーシ派の軍事スポークスマンであるヤヒヤ・サレア氏は、フーシ派の空軍部隊が作戦を実行したとし、その目的は「パレスチナの人々を支援するため」だと強調しました。さらに「わが国に対する継続中のアメリカの侵攻に立ち向かうことは、ガザに対する義務を果たし続けることを妨げない」と述べ、ガザ情勢と自らの軍事行動を結びつける姿勢を示しました。
ヨルダンが無人機墜落を確認 イスラエル側報道も
イスラエルのテレビ局チャンネル12は、イエメンから飛来したとみられるドローン1機が、イスラエルに到達する前にヨルダン領空内の死海付近で迎撃されたと報じました。
ヨルダン軍も同日夜、マダバ県マイン地区(死海近郊)に「正体不明のドローン」が侵入し、墜落したと発表しました。現時点で人的被害は報告されていません。フーシ派が主張するテルアビブ攻撃との直接の関連については、ヨルダン側から説明は出ていません。
ガザ情勢と連動するフーシ派の攻撃
今年3月にイスラエルがガザ地区全域への集中的な攻撃を再開して以降、フーシ派はイスラエルや米国の標的に対する攻撃を頻繁に行ってきたとしています。今回のテルアビブへのドローン攻撃の主張も、その流れの中で位置づけられます。
サレア氏は、同じ金曜日に紅海北部で米空母「ハリー・S・トルーマン」とその他の米軍艦船に対して新たな攻撃を行ったとも主張しました。
これに対し、米中央軍(CENTCOM)はSNSプラットフォームX(旧ツイッター)への投稿で、同空母打撃群は「フーシ派に対する24時間体制の連続作戦を、フーシ派の『奇妙な主張』にもかかわらず継続している」と発信し、フーシ派の説明とは異なる見方を示しました。
北イエメンへの米軍空爆が拡大 住民が語る恐怖
フーシ派系メディアによると、金曜日未明から北イエメンで行われた米軍の空爆の回数は、同日中に少なくとも30回に達したとされています。
空爆は、首都サヌアの東部および南部に加え、隣接する産油地帯マリブ州、西部のホデイダ州など複数の地点を標的としました。サヌアでは、東部郊外のヌクム山やバニ・ハシシュ地区、さらに南部郊外のサンハン地区周辺で爆発が確認されたと伝えられています。
サヌアの住民モハメドさんは「私たちが聞くのは、命中して爆発する直前のミサイルの音だけで、その後に全開で飛び去る戦闘機の音が聞こえる」と語り、空爆の恐怖を明かしました。イエメンには、空襲の可能性を事前に住民へ知らせるサイレンなどの警報システムが整備されておらず、多くの人が突然の爆発音にさらされているとされています。
米軍の空爆再開とフーシ派が掲げる条件
米軍は今年3月15日、フーシ派によるイスラエルや紅海を航行する米軍艦船への攻撃を抑止する目的で、フーシ派拠点への空爆を再開しました。それ以来、紅海や北イエメン周辺では、フーシ派と米軍による攻撃と反撃が断続的に続いています。
一方で、北イエメンを実効支配するフーシ派は、イスラエルがガザでの戦闘を停止し、必要不可欠な食料や医薬品の搬入を認めれば、自らの攻撃も停止すると主張しています。ガザ停戦と人道支援をめぐる条件が、紅海やイエメン情勢とも結びつく構図になっています。
中東リスクはどこまで広がるのか
今回の国際ニュースは、ガザでの戦闘が一つの地域紛争にとどまらず、紅海のシーレーン(海上交通路)や中東全体の安全保障に波及している現実を示しています。日本語で国際ニュースを追う私たちにとっても、エネルギー価格や海上輸送、さらには地域の人々の生活にどのような影響が及ぶのかを考える必要があります。
- イスラエルとパレスチナの対立が、イエメンや紅海の緊張とどのようにつながっているのか
- 米軍による空爆が、テロ対策や抑止力だけでなく、現地住民の安全や人道状況にどんな影響を与えているのか
- 「支援」や「連帯」を掲げる武装組織の軍事行動が、結果として誰を守り、誰を危険にさらしているのか
こうした問いを意識しながらニュースを読むことで、中東で起きている出来事を「遠い世界の話」としてではなく、自分たちの価値観や暮らしと結びつけて捉える視点が生まれます。スキマ時間に読む日本語ニュースから、世界を見るレンズを少しだけ広げてみるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








