ガザ戦争の即時停止を要請 元モサド幹部250人超が共同書簡
ガザ地区で続く戦闘をめぐり、イスラエルの情報機関モサドの元幹部250人以上が、戦争の即時終結と人質の解放を政府に求める共同書簡を出しました。安全保障の中枢にいた人物たちが停戦を訴えた動きとして、国際ニュースの中でも注目されています。
元モサド幹部250人超が署名 国営テレビが報道
イスラエルの国営放送カン(Kan)テレビのニュースは日曜日、モサドの元職員250人以上が、ガザ地区での戦争を直ちに終結させるよう求める書簡に署名したと報じました。
署名者には、かつてモサド長官を務めたダニー・ヤトム氏、エフライム・ハレビ氏、タミール・パルド氏の3人が含まれ、他にも多数のベテラン職員が名を連ねているとされています。
「戦闘継続は人質と兵士の命を危険にさらす」
元モサド関係者らは書簡の中で、ガザ地区での戦闘が続くことは、拘束されているイスラエル人質や前線で戦う兵士の命を危険にさらすと強調しました。
彼らは、「戦闘の継続は人質と兵士の命を危険にさらす。苦しみを終わらせる合意に達するため、あらゆる可能性を尽くすべきだ」と訴えています。そして、「政府に対し、国の安全のために勇気ある決断を下し、責任ある行動をとるよう求める」と呼びかけました。
ガザ戦争をめぐる議論では、人質の安全と軍事作戦の継続をどのように両立させるかが、イスラエル社会の大きな争点になっていることがうかがえます。
軍の空軍関係者の書簡に連帯
今回の元モサド幹部による書簡は、軍の空軍関係者による動きとも重なっています。元モサド職員らは、予備役や退役を含む多数の空軍の搭乗員が出した類似の書簡を支持する姿勢も示しました。
これらの空軍関係者の書簡も、戦闘の停止と人質の返還を求める内容で、軍事の最前線に関わる人々からも、戦争の継続に疑問を投げかける声が出ていることになります。
4月10日の書簡公表後、予備役の一部を解任
報道によりますと、空軍の搭乗員らによる書簡は4月10日に公表されました。その後、イスラエル空軍司令官のトメル・バル氏は、署名者のうち現役の予備役要員について、空軍での任務から外す決定を下しました。
戦闘継続に懸念を示した軍や情報機関の関係者に対し、指揮官が厳しい対応をとった形で、軍内部の統制と現場の問題意識との間に緊張が生じている様子もうかがえます。
なぜこの動きが重要か イスラエル国内議論の一端
今回の元モサド幹部らの書簡は、単なる一部の声ではなく、安全保障政策を長年担ってきた元トップ級の人物たちが名を出して戦争の即時終結を求めた点で重みがあります。イスラエルのガザ戦争をめぐる国内議論の一端として、次のような意味合いが読み取れます。
- 情報機関と軍の元関係者から、停戦と人質解放を優先すべきだとする声が公然と示されたこと
- 戦闘継続が必ずしも国家安全保障にとって最善とは限らない、という見方が安全保障エリートの一部から提示されていること
- 軍内部では、戦争の方針に異議を唱えた予備役に対し、任務解除という強い対応が取られていること
ガザ戦争に関する国際ニュースを追ううえで、政府間のやり取りだけでなく、イスラエル社会の内部、とくに安全保障機関の内部でも多様な意見が存在していることを意識することは重要です。
元モサド幹部らによる今回の書簡が、イスラエル政府の政策や今後の交渉、人質解放の行方にどのような影響を与えるのか、引き続き注目が集まりそうです。
Reference(s):
Over 250 ex-Mossad members urge end to Gaza war, return of hostages
cgtn.com








