ロサンゼルス史上最悪の山火事から100日 被害総額は数十億ドル規模に video poster
ロサンゼルス史上最悪の山火事から100日
2025年12月8日現在、米ロサンゼルスでは、同市の歴史上もっとも破壊的だった山火事からおよそ100日が経過しました。被害総額は数十億ドル規模に達するとみられ、復旧と財政負担の行方が大きな国際ニュースになっています。
この山火事は、市域の広範囲にわたって住宅や商業施設、社会インフラに深刻な被害をもたらしました。CGTN(China Global Television Network)の特派員エディズ・ティヤンシャン氏は、ロサンゼルスからこの「お金のダメージ」に焦点を当てたリポートを伝えています。
数十億ドル規模の「見えない請求書」
山火事の被害は、目に見える焼け跡だけではありません。ロサンゼルスでは、次のような形で、時間差のある「見えない請求書」が押し寄せています。
- 焼失した住宅や店舗の再建費用
- 道路、送電線、水道などインフラの復旧コスト
- 避難所運営や緊急対応にかかった行政コスト
- 観光・サービス業を中心とした売り上げ減少
- 長期的な健康被害や環境回復にかかる費用
こうした要素が積み上がることで、市全体としての経済的損失は「数十億ドル」という規模になります。直接火災に遭っていない地域でも、保険料の上昇や税負担の増加などを通じ、少しずつ影響が広がる可能性があります。
市財政と住民生活への圧力
ロサンゼルス市にとって、山火事後の財政運営は綱渡りのような状況になりかねません。緊急対応と復旧のための支出が膨らむ一方で、経済活動の停滞により税収が落ち込むリスクもあるからです。
住民レベルでも負担はさまざまです。十分な保険に加入していない世帯は、自力での再建が難しくなり、移転や生活再建に時間がかかります。また、火災リスクの高い地域では、今後、保険加入自体が難しくなったり、保険料が大幅に上がったりする可能性も指摘されています。
復旧は「マラソン」になる
大規模な山火事後の復旧は、数週間や数カ月で終わる短距離走ではなく、何年も続くマラソンのようなプロセスになります。焼けた建物を立て直すだけでなく、地域の雇用、学校、医療、コミュニティのつながりをどう取り戻すかが問われます。
その意味で、今回のロサンゼルスのケースは、世界の大都市が今後どのように災害リスクと付き合っていくかを考えるうえで、重要な事例だと言えます。
なぜ日本の読者にとっても重要か
山火事というとアメリカ西部特有の問題に見えますが、「都市と自然災害」「災害と経済」というテーマは、日本にとっても他人事ではありません。都市が巨大化し、災害リスクが複雑に重なり合う中で、ひとたび被害が出ると、ロサンゼルスのように数十億ドル規模の負担が一気に顕在化します。
今回のロサンゼルスの事例は、次のような問いを私たちに投げかけています。
- 災害リスクの高い地域に、どこまで人が住み続けるべきか
- 公的支援と民間保険の役割分担をどう設計するか
- 短期的な復旧だけでなく、長期的な「より強い街づくり」をどう進めるか
現地から財政面の影響を伝えるCGTNのリポートは、こうした問いを考えるための一つの素材です。日本からロサンゼルスのニュースを追うことは、私たち自身の都市や暮らしのあり方を見直すヒントにもなります。
Reference(s):
Los Angeles faces billions in damage 100 days after wildfires
cgtn.com








