イスタンブールのアヤソフィア、1500年で最大級の改修へ 地震対策と歴史保存
トルコ・イスタンブールの世界遺産アヤソフィアで、約1500年の歴史の中で最大級となる改修工事が予定されています。地震対策と文化財保護をどう両立させるのかが注目されています。
地震に強いドームへ トルコ当局が改修を発表
トルコ・イスタンブールにあるアヤソフィアについて、トルコの文化観光相メフメト・ヌリ・エルソイ氏がソーシャルメディアで、大規模な改修計画を明らかにしました。およそ1500年の歴史の中で最大級とされる今回のプロジェクトでは、ドーム部分を地震により強くすることが主な目的だとしています。
エルソイ氏は、ドームをより地震に強くする一方で、建物本来の姿を細心の注意を払って保存すると強調しており、安全性と歴史的価値の両立を掲げています。
アヤソフィアとはどんな場所か
アヤソフィアは、世界でも最も象徴的で歴史的な建造物の一つであり、世界遺産として知られています。ビザンツ建築の現存例の中で、最大の傑作と見る人も多い建物です。
宗教と政治に翻弄されてきた歴史
- 6世紀、皇帝ユスティニアヌス1世のもとでキリスト教会として建設される。
- 1453年のイスタンブール陥落まで、キリスト教徒の礼拝の場として機能。
- オスマン帝国のメフメト2世が征服後、モスク(イスラム教の礼拝所)へと転換。
- その後、約500年にわたってイスラム教の聖地として使われる。
- 1931年、新たに成立した共和政政府のムスタファ・ケマル・アタテュルク大統領の下で一時閉鎖。
- 4年後、博物館として再び公開される。
- 2020年7月、トルコのレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領が、1934年の布告を無効とする裁判所の判断を受け、モスクへ再転換する方針を発表。
地震対策と歴史保存、そのバランスは
今回の改修計画の中心は、ドームを含む構造を地震に対してより強くすることです。一方で、アヤソフィアは長い歴史を通じて培われた意匠や雰囲気そのものが価値とされる建築でもあります。
文化観光相が建物の元の状態を慎重に守ると強調していることは、耐震性の向上と、歴史的景観や内部装飾をできる限り変えないことの両立が重視されていることを示しています。
世界が注目する祈りと世界遺産の象徴
アヤソフィアは、キリスト教会、モスク、博物館、そして再びモスクへ転換する方針が示されるなど、その役割を変え続けてきました。現在も世界遺産として国際的に知られる象徴的な建物です。
約1500年の歴史の中で最大級とされる今回の改修は、信仰の場としての安全性を高めると同時に、人類共通の文化遺産としてどのように守り継いでいくのかという問いを投げかけています。
歴史的建造物を、現代の安全基準に合わせながら次の世代につなぐには何が必要なのか。イスタンブールのアヤソフィアで始まろうとしている試みは、世界各地の文化財保護にも通じるテーマを私たちに示していると言えそうです。
Reference(s):
Istanbul's Hagia Sophia sees biggest refurbishment 1,500 year history
cgtn.com








