イラン核問題:ローマでの米国との間接協議は「建設的」 外相が進展を強調
イラン核問題をめぐるイランと米国の間接協議がローマで行われ、イランのセイエド・アッバス・アラグチ外相は「建設的」で「前向き」な進展があったと評価しました。制裁解除と核合意の行方を左右しうる動きとして注目されています。
ローマでの第2ラウンド、「良好で前進する協議」
イランの国営メディアによりますと、アラグチ外相は土曜日、ローマで行われた米国との間接協議について「建設的な雰囲気」であり、「良好」で「前進する」内容だったと述べました。
今回の協議は、オマーンが仲介するイランと米国の第2ラウンドの間接協議で、イラン側代表はアラグチ外相、米国側代表は中東担当特使のスティーブ・ウィットコフ氏が務めました。協議では、イランの核問題と、ワシントンによる制裁の解除が主なテーマとなりました。
アラグチ外相は、およそ4時間にわたる会合を終え、「いくつかの重要な原則や目的について、双方がこれまでよりも良い理解に達した」とし、協議が一歩進んだとの認識を示しています。
オマーン仲介の「間接協議」とは
今回のローマでの会合は、オマーンが仲介する「間接協議」の一環です。間接協議とは、当事者同士が同じテーブルで直接対話するのではなく、仲介役の第三国を通じてメッセージや提案をやり取りする形式の交渉を指します。
オマーン外務省も、アラグチ外相とウィットコフ氏が、イランの核問題をめぐり「公正で、持続的で、拘束力のある合意」を目指す次の段階の交渉に進むことで一致したと明らかにしました。オマーンはこれまでも中東地域での仲介役として存在感を発揮してきた国であり、今回も緊張緩和の場を提供している形です。
今回のローマでの会合は、第1ラウンドに続く第2ラウンドでした。第1ラウンドはその前の土曜日に、オマーンの首都マスカットで行われ、当時も双方は協議を「建設的」と説明していました。
次はオマーンで専門家協議へ 具体案づくりが焦点
アラグチ外相は、今後のスケジュールについても言及しました。専門家レベルの技術的な協議が、水曜日までにオマーンで始まる予定で、合意の枠組みに関する詳細がここで詰められる見通しだとしています。
さらに、専門家協議の結果を踏まえ、交渉団は翌週の土曜日に再びオマーンで会合を持つ予定です。ここで、どこまで具体的な合意のイメージを共有できるかが、今後の大きな焦点となります。
トランプ米大統領の政権側の高官も、両者が翌週に再び会うことで合意したと認め、「ローマでの第2ラウンドでは、4時間にわたる直接・間接の協議を通じて、非常に良い進展があった」と語りました。イラン側だけでなく、米国側も「進展」を強調している点は注目されます。
核合意と制裁解除:争点はどこにあるのか
今回の間接協議の核心にあるのは、イランの核プログラムと、米国による制裁解除の問題です。
イランは2015年7月、英国、中国、フランス、ドイツ、ロシア、米国の6か国と、包括的共同行動計画(JCPOA)と呼ばれる核合意に署名しました。これは、イランの核活動に制限を設け、その見返りに経済制裁を緩和・解除するという枠組みでした。
しかし、2018年5月に米国が合意から離脱し、制裁を再発動したことで構図は一変しました。イランはこれに対応する形で、核合意で定められた一部の義務の履行を段階的に縮小してきました。その後も合意復活に向けた試みは続いてきましたが、「実質的な進展」は得られていないとされています。
今回のローマとオマーンを舞台とした間接協議は、こうした膠着状態を打開しようとする新たな動きと位置づけられます。アラグチ外相が「主要な原則と目的についてより良い理解に達した」と述べたことから、少なくとも交渉の土台となる考え方のすり合わせは進んでいるとみられます。
強まる圧力と対話の行方
協議の背景には、トランプ米大統領による強硬なメッセージもあります。報道によれば、トランプ大統領は、イランが自らの提示した協議の提案を受け入れない場合、「爆撃」も辞さないと威嚇し、3月初めにイラン指導部宛ての書簡で交渉案を示していました。
圧力を強めつつ対話の扉も開けておくというこうした姿勢は、イラン側にとっては安全保障と経済の両面で重い選択を迫るものです。一方、米国側にとっても、核問題の拡大や地域情勢の緊張をどう抑えるかが課題となっています。
今回の協議でオマーン外務省が掲げた「公正で、持続的で、拘束力のある合意」という目標が、具体的にどのような内容を指すのかは、今後の専門家協議や次回会合で徐々に明らかになっていくことになります。
これから何を見ていくべきか
今回の一連の動きが、イラン核問題をめぐる長期的な緊張を和らげる方向に進むのかどうかは、まだ不透明です。ただし、双方がそろって「建設的」「進展」といった表現を使っていることは、少なくとも対話のチャンネルを維持しようとする意思の表れとも言えます。
今後、注目すべきポイントとしては、次のような点が挙げられます。
- オマーンでの専門家協議で、どこまで具体的な合意の枠組みが描かれるか
- 制裁解除と核活動の制限のバランスをどう取るかという根本的な争点に、双方が妥協点を見いだせるか
- 現在の「間接協議」が、いずれ「直接協議」へと発展する可能性があるか
- トランプ政権の強硬な姿勢と、外交的解決を目指す動きとの間で、どのような政策の一貫性が示されるか
イラン核問題は、エネルギー市場や中東の安全保障、さらには国際的な不拡散体制にも影響を及ぼしうるテーマです。今回のローマとオマーンでの協議が、長く停滞してきた問題を動かす一歩となるのかどうか、今後の報道と公式発表を丁寧に追っていく必要があります。
Reference(s):
Iran's foreign minister says indirect talks with U.S. 'constructive'
cgtn.com







