Signal流出疑惑で揺れる米国防総省 トランプ大統領がヘグセス長官を擁護
米国のドナルド・トランプ大統領は今週月曜、イエメンのフーシ派への軍事攻撃計画をメッセージアプリのチャットで共有していたと報じられているピート・ヘグセス国防長官を改めて擁護しました。機密性の高い安全保障情報と民間アプリの扱いが、2025年のワシントンで大きな論点になりつつあります。
トランプ大統領が示した全面支持
今週月曜、トランプ大統領は記者団に対し、ヘグセス国防長官について「ピートは素晴らしい仕事をしている。みんな彼に満足している」と述べました。長官への信頼は揺るいでいないか問われると、「もちろんだ」と強調し、続けて「フーシ派に彼の仕事ぶりを聞いてみるといい」と語りました。
トランプ政権下で米軍は、イランの支援を受ける武装組織とされるフーシ派への空爆を強化しており、ヘグセス長官はその中心的な役割を担っています。
Signalチャットで共有された攻撃計画
今回問題となっているのは、ヘグセス長官が民間のメッセージアプリSignalのチャットグループで、今年3月15日に行われたフーシ派への攻撃に関する詳細を共有していたとされる点です。ロイター通信によると、このグループには長官の妻や兄弟、個人弁護士らが参加していました。
米国防総省の説明では、このアプリは機密扱いではない商用のテキストメッセージサービスとされています。にもかかわらず、「極めて機微な安全保障情報」が扱われていたとされることで、情報保全のあり方に疑問が投げかけられています。
2度目の流出疑惑と相次ぐ人事
ヘグセス長官によるSignalの利用は、今回が初めてではないと報じられています。先月には、雑誌『ザ・アトランティック』の編集長ジェフリー・ゴールドバーグ氏が、誤って別のSignalグループに招き入れられ、その中で共有されていた攻撃計画の詳細を明らかにしました。
ロイターが今月日曜に伝えたところによると、今回明らかになった2つ目のチャットグループでも、先月と同様の内容が共有されていたとされています。このグループはもともと、ヘグセス氏の国防長官指名承認プロセスを巡る事務的な連絡を目的に作られていましたが、次第に軍事作戦に関わる議論の場へと変化していったとみられます。
一方で、国防総省内では内部情報の漏えい調査が進められており、その一環として先週、複数の高官が更迭されたと報じられています。ヘグセス長官をめぐる緊張は、政権と国防総省の双方で高まっています。
家族も参加したチャットの顔ぶれ
報道によると、問題のチャットグループには十数人が参加していました。その中には、国土安全保障省と国防総省をつなぐ連絡役を務めるヘグセス氏の兄弟も含まれていました。
また、妻のジェニファー氏は元テレビ局プロデューサーであり、これまでに外国軍の関係者との機微な会合に同席していた様子が、国防総省が公開した写真から確認されているとされています。家族や個人弁護士が作戦情報に接していた可能性は、情報管理の線引きをめぐる議論を呼びそうです。
国防総省監察官が正式調査を開始
事情に詳しい関係者はロイターに対し、ヘグセス長官が今回問題となっている行為に及ぶ前から、Signalのような安全性の確認されていないシステムで情報を共有しないよう助言を受けていたと証言しています。
今月に入り、国防総省監察官室は、3月15日のフーシ派への攻撃に関する連絡や調整に商用アプリが用いられた点について、本格的な調査を開始したと発表しました。調査は、どの程度の情報が共有され、どのようなリスクが生じたのかを焦点に進められるとみられます。
ホワイトハウスは更迭報道を否定
こうした中、米公共ラジオNPRは、トランプ政権が新たな国防長官の選定作業を始めたと報じました。しかし、ホワイトハウスのカロリン・レヴィット報道官はこの報道を否定し、政権としてヘグセス長官の続投を前提にしているとの立場を示しています。
デジタル時代の指揮とチャットの境界
今回の一連の出来事は、2025年の安全保障環境における大きな問いを突きつけています。すなわち、指揮系統のトップに近い人物が、どこまで民間の通信アプリを使ってよいのかという問題です。
- 家族や知人も同席するチャット空間で、どこまで作戦情報を共有できるのか
- 機密指定ではないシステムでも、実質的に機微情報のやり取りが行われれば、ルールはどうあるべきか
- 誤って第三者がグループに招き入れられるリスクを、どう管理するのか
トランプ大統領はヘグセス長官への全面的な支持を示しましたが、監察官による調査が進むなかで、国防総省やホワイトハウスには、情報管理の実態と責任の所在について、国内外に納得のいく説明が求められることになりそうです。
Reference(s):
Trump stands behind Hegseth after attack plans shared in Signal chat
cgtn.com








