トランプ大統領が25代マッキンリーを称賛する理由 「偉大なアメリカ」の原点とは video poster
ドナルド・トランプ大統領が掲げる「Make America Great Again(アメリカを再び偉大に)」というスローガン。その「偉大だった頃」のモデルとして、25代ウィリアム・マッキンリー大統領の時代を挙げているとされています。アメリカ政治をめぐるこの歴史的な参照は、何を意味しているのでしょうか。
「アメリカを再び偉大に」とはどんな時代像か
トランプ大統領は「アメリカを再び偉大にする」と繰り返し訴えてきましたが、その「再び」が指すのはいつなのか――この問いに本人が答える際に、しばしば引き合いに出されるのがマッキンリー大統領です。
マッキンリーは第25代アメリカ大統領で、企業が生産した製品を帆船や蒸気機関車で世界に送り出していた時代に国を率いました。アメリカが急速に工業化し、外へ向かって経済的・軍事的な影響力を広げていった時期と重なります。
帆船と蒸気機関車が運んだ「マッキンリーのアメリカ」
マッキンリー政権期のアメリカは、いま振り返ると次のような特徴を持っていました。
- 企業が生産したモノが、帆船や蒸気機関車によって国内外へと運ばれていたこと
- スペイン・アメリカ戦争に勝利し、対外的な影響力を一気に拡大したこと
- 激しい武力制圧ののち、フィリピン、プエルトリコ、グアム、ハワイ、現在「アメリカ領サモア」と呼ばれる地域などを自国の勢力圏に組み込んだこと
- 輸入品に高い関税を課す政策を強く支持していたこと
経済的な保護主義と、海外への積極的な進出。この組み合わせこそが、マッキンリー時代のアメリカのイメージとして語られます。
高関税と拡張主義──トランプ大統領が重ねる姿
トランプ大統領がマッキンリーに言及する背景には、高い関税や自国産業の保護を重視した過去のアメリカ像があります。輸入品への関税を引き上げ、国内産業を守ろうとしたマッキンリーの姿勢は、「アメリカ第一」を掲げる現在の政治スタイルと響き合う部分があります。
同時に、スペイン・アメリカ戦争後の急速な領土拡大は、軍事力と経済力を背景に国際秩序の中で存在感を強めていったアメリカの原風景として語られてきました。トランプ大統領がその時代を理想像のひとつとして持ち出すことは、世界に対して強いアメリカを打ち出したいというメッセージとも読めます。
CGTNネイサン・キング記者が見た「マッキンリー回帰」
中国の国際メディアであるCGTNのホワイトハウス担当記者、ネイサン・キング氏は、トランプ大統領によるマッキンリー評価をテーマにしたリポートを伝えています。報道によれば、トランプ大統領がどのようにマッキンリーの名を引用し、自らの政策やスローガンと結びつけているのかに焦点が当てられています。
歴代大統領の中から、なぜあえてマッキンリーなのか。帆船と蒸気機関車の時代に築かれた「拡張するアメリカ」のイメージを、今日の国際政治の文脈でどう読み替えるのか。この問いかけ自体が、アメリカ社会がいま、自国の過去と現在をどう見つめ直そうとしているのかを映し出しているようです。
歴史上の人物を参照することは、現在の政治の選択を正当化したり、説明したりするための一つの方法です。マッキンリーの名がどのような文脈で語られているのかに目を向けることで、「アメリカを再び偉大に」という言葉の中身も、少し違った輪郭を帯びて見えてきます。
Reference(s):
cgtn.com








