アメリカでメーデーデモ トランプ政権の移民政策に抗議広がる
2025年5月1日のメーデーにあわせて、アメリカ各地でトランプ政権の移民政策などに反対する大規模なデモが行われました。弁護士や教師、政治家まで幅広い市民が参加し、「誰のための政治なのか」を問い直す動きが今年のアメリカ政治を象徴しています。
アメリカ各地で広がったメーデーデモ
デモは木曜日、ワシントンやフィラデルフィアなど全米の都市で行われ、数千人規模の人びとが街頭に集まりました。参加したのは、移民支援団体の弁護士、学校現場の教師、地方や連邦レベルの政治家など、多様なバックグラウンドを持つ人たちです。
彼らが抗議の声を上げた中心的なテーマは、トランプ大統領の移民政策、弁護士や判事が標的にされていると感じられる風潮、そして「ごく一部の富裕層に権力が集中している」という問題でした。
移民政策と「法の番人」への圧力への懸念
今回の集会は、トランプ政権の下で進められている移民関連の取り締まりに対する危機感を背景にしています。参加者や主催者は、移民だけでなく、移民を守ろうとする弁護士や、判断を下す判事までもが標的にされていると訴えました。
法の支配を支える弁護士や裁判所への圧力が高まれば、人権保護や公正な裁判の仕組みが揺らぐのではないか——。そうした不安が、メーデーという「労働者の権利」を象徴する日に合わせて噴き出した形です。
ワシントンで語られた家族の「50日間の苦しみ」
首都ワシントンの集会では、ジェニファー・バスケス・スラさんが、夫キルマー・アブレゴ・ガルシアさんの体験を訴えました。夫はアメリカの在住資格を持っていましたが、政権の対応の誤りでエルサルバドルの刑務所に送られてしまったといいます。
バスケス・スラさんは、夫がトランプ政権によって「違法に拘束され、連れ去られ、行方不明にされた」と主張し、政権側もそれが誤りだったことを認めたと語りました。彼女は、夫が味わったという「50日間の苦しみ」を会場で共有し、移民政策の影響が一人ひとりの生活や家族の時間を直撃している現実を浮き彫りにしました。
200以上の労組と移民団体が連携した理由
今回のデモは、弁護士団体と、200を超える労働組合や移民の権利擁護団体の連合が共同で組織しました。主催者たちは、トランプ政権が「億万長者の利益を優先している」と批判し、「働く家族への投資」を求めました。
具体的には、次のような公的サービスへの十分な資金投入を求めています。
- 誰もが利用しやすい医療制度への支援
- 安心して暮らせる住宅政策への投資
- 公立学校(パブリックスクール)の安定した予算確保
主催者側は、全米で数十万人規模の参加を見込み、「アメリカ史上最大のメーデー行動」を目指していました。トランプ大統領が政権に復帰して以来、各地で数千人規模の抗議行動が続いており、その延長線上に今回の動きがあります。
「就任100日」を越えたタイミングで
デモは、トランプ大統領がミシガン州で就任から100日を祝う集会を開いた数日後に行われました。就任からの「最初の100日」は、どの政権にとっても方向性を示す重要な期間とされますが、その直後に大規模な抗議が起きたことは、政権の優先順位に対する不満が根強いことを物語っています。
民主党は「結束」と「新たなリーダー像」を模索
こうした中で、野党・民主党は、トランプ政権への対抗軸として、どのようにメッセージを束ね、誰を「求心力のあるリーダー」と位置づけるのかが問われています。
フィラデルフィアの集会では、バーニー・サンダース上院議員が数千人の前で演説しました。サンダース議員は、民主党内でも草の根の支持が強い存在であり、所得格差や社会保障の拡充を訴えてきた人物です。今回のメーデーでの登壇は、労働者や移民の権利を重視する路線が、党の重要なテーマになり続けていることを示しているとも言えます。
日本の読者への問いかけ:デモは政治を動かせるか
今回のメーデーデモは、移民政策、司法の独立、経済格差など、複数のテーマが交差する場となりました。日本に暮らす私たちにとっても、決して遠い話ではありません。
- 誰のために政治は優先順位を決めるのか
- 働く人びとの生活を支える社会保障に、どこまで公的資源を配分するのか
- 少数者や弱い立場の人の声を、どのように政治に届けるのか
アメリカでの抗議行動を一つの「鏡」として見ることで、日本社会の課題や、自分自身がどのような社会を望むのかを考えるきっかけにもなります。2025年の今、世界各地で起きている動きを、日本語で丁寧に追いながら、自分なりの視点をアップデートしていくことが求められているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








