英国イーストミッドランズ空港、中国貨物便で新たな貿易ハブに video poster
英国のイーストミッドランズ空港が、中国との貨物ネットワークを一気に広げようとしています。新たな貨物便とテクノロジーハブ構想により、2025年現在、同空港は英国と中国を結ぶ「新しい玄関口」として存在感を高めています。
中国の貨物大手2社が初就航へ
英国中部のイーストミッドランズ空港は、中国の貨物大手であるCentral AirlinesとYunExpressと画期的な提携を結びました。数日のうちに、両社は同空港への初となる貨物便の運航を開始し、当初はボーイング777型貨物機による週2便体制、その後は週5便までの拡大を見込んでいます。
両社が英国に乗り入れるのは今回が初めてで、イーストミッドランズ空港は新たな国際物流ネットワークの中心の一つになろうとしています。同空港はすでに年間約16億ドル規模の対中貿易を扱い、夜間規制のある大規模ハブ空港とは異なり、24時間体制で貨物を受け入れています。
「英国の真ん中」にある強み
空港のコーポレート・アフェアーズ責任者であるIoan Reed-Aspley氏は、中国国際テレビ(CGTN)の取材に対し、「イーストミッドランズ空港は英国でもっとも中央に位置する空港の一つです。ここに運ばれてきた貨物は、国内のどこへでも素早く、簡単に配送できます」と語っています。
この立地と運用体制は、次のような強みにつながります。
- 英国各地へのトラック輸送距離を抑え、配送時間を短縮できる
- 24時間運用により、時間帯を問わない国際貨物の受け入れが可能
- 既に中国との大きな取引量があり、新たな便をスムーズに取り込める
One Airも「中国路線強化」を計画
英国の貨物航空会社One Airも、イーストミッドランズ空港を重視しています。同社は約1年前に拠点をロンドン・ヒースロー空港からイーストミッドランズ空港へ移しており、中国と結びついた運航をさらに拡大する計画です。
One AirのパイロットであるJoe Batt機長は、新たな専用貨物機が今年中にも就航する見通しだとしたうえで、「香港やマスカットを経由して中国へ向かう定期便の開設を検討しています」と話しています。英国と中国を結ぶルートの選択肢が増えることで、企業にとっては輸送の柔軟性が高まる可能性があります。
課題は「帰り便の空きスペース」
一方で、課題もはっきりしています。中国からの貨物が増える一方で、多くの航空機がアジアへの復路を空に近い状態で飛んでいるのです。この非効率をどう解消するかが、空港と地域経済にとって重要なテーマになっています。
Reed-Aspley氏は「こうした航空機は、およそ110トンの貨物を運ぶことができます。私たちは地元企業と連携し、この『往路だけ満載』という状況を変えるべく、復路の貨物需要を掘り起こそうとしています」と語っています。
イーストミッドランズ空港側は、英国企業が中国市場にアクセスしやすくなるよう、空のスペースを「輸出のチャンス」として見直すことを促しています。重量は比較的軽く、価値の高い製品や、越境電子商取引(クロスボーダーEC)の商品など、航空貨物と相性の良い分野が想定されます。
テクノロジーハブ構想と周辺開発
復路貨物を増やす取り組みを後押しするため、同空港は中国市場を目指す英国企業向けの新たなテクノロジーハブの整備も進めています。空港周辺の複数の土地、すでに閉鎖されたRatcliffe-on-Soar発電所の跡地を含むエリアが、先端物流や製造業に特化した再開発の候補地になっています。
空港のメディア責任者Stephan Richeux氏は、「より大きく、より多くの貨物が出入りできるよう、滑走路周辺の開発も視野に入れています」と述べ、長期的な構想であることを強調しています。世界的に即時配送の需要が高まるなか、柔軟に拡張できる空港は、企業にとって魅力ある拠点となりやすいからです。
英国の動きから日本が学べること
今回の国際ニュースは、英国の一地方空港が、中国との貨物ネットワークをてこに新たな役割を獲得しようとしている姿を映し出しています。24時間運用や周辺の産業開発と組み合わせることで、空港は単なる「出入り口」から、ビジネスと投資を引き寄せる「物流エコシステム」へと変わりつつあります。
地方空港や地域の物流拠点をどう生かすかは、日本にとっても共通の課題です。イーストミッドランズ空港の試みは、空港と企業、自治体が連携し、国際物流を地域経済の成長につなげるには何が必要かを考える手がかりになりそうです。
Reference(s):
Central UK airport builds China connections with major cargo deals
cgtn.com








