イスラエル、ガザ占領と軍事作戦拡大を承認 人道危機は「想像を超える」
イスラエルの治安閣議が、ガザ地区での軍事作戦を拡大し占領に踏み込む計画を承認しました。完全封鎖の続くガザでは国連機関が「想像を超える」人道危機を警告しており、今後の情勢は一段と緊張を増しそうです。
何が決まったのか
今週月曜日、イスラエルの治安閣議がガザ地区での軍事作戦をさらに拡大する作戦計画を全会一致で承認したと、高官が匿名を条件に明らかにしました。
承認された計画には、以下のような要素が含まれるとされています。
- ガザ地区の占領と、制圧した地域の継続的な掌握
- 予備役部隊への数万人規模の追加招集
- ハマスへの軍事攻撃の一層の強化
投票は、軍トップのエヤル・ザミル氏が、攻勢を強めるため今週中に予備役に対し数万人の召集命令を出すと発表した数時間後に行われました。
封鎖と人道危機:支援再開は見通せず
イスラエルは、停戦合意が崩壊した3月2日以降、ガザ地区を完全封鎖しています。治安閣議は今回、人道支援物資の将来的な搬入に向けた枠組みも承認しましたが、実際に支援がいつ再開されるのかは明らかになっていません。
イスラエル側は、この封鎖についてハマスが物資を掌握するのを防ぎ、イスラエル側の条件での合意を受け入れるよう圧力をかけるためだと説明しています。
一方で、パレスチナ難民を支援する国連機関、近東救済事業機関(UNRWA)は、ガザの人道状況が壊滅的な水準に達していると警告。封鎖により食料や水、医療などが極度に不足し、状況は「想像を超える」危機だと表現しました。
戦術的な襲撃から占領へ 戦略転換の中身
ベンヤミン・ネタニヤフ首相は会合で、新たな計画について、戦術的な襲撃から占領と領域の継続的な支配へと移行する戦略転換だと述べたと、首相府の声明は伝えています。
高官によれば、計画は次のような内容を含みます。
- ガザ地区を占領し、掌握した地域を継続的に維持する
- 住民を保護の名目でガザ南部へ移動させる
- ハマスが人道支援物資を配布する能力を奪う
- ハマスに対する大規模な攻撃を続け、その弱体化と敗北を目指す
ネタニヤフ首相はまた、ガザ住民の自発的な退去を促す構想を引き続き推進しているとし、ガザからの避難者を受け入れる可能性について複数の国と協議が進んでいると述べました。この構想は、ガザの将来の統治や住民の権利をめぐる議論をさらに複雑にしそうです。
長期化する軍事作戦と5万2千人超の死者
イスラエルは、ハマスとの2カ月間の停戦を3月に終了させ、その後ガザへの空爆と地上作戦を再開しました。ガザの保健当局によると、2023年10月に始まったイスラエルの攻勢以降、これまでに5万2千人以上のパレスチナ人が死亡しています。
死者数の規模は、ガザの人口やインフラに与えた影響の大きさを物語ります。軍事作戦がさらに拡大し、占領と長期の軍事支配に踏み込めば、民間人への被害や避難の長期化が一層深刻になる懸念があります。
今後の焦点:安全保障と人道、どこまで両立できるか
イスラエル側は、今回の計画をハマスの軍事的能力をそぐための必要な措置だと位置づけています。一方で、完全封鎖の継続と占領の拡大は、ガザ住民の安全や尊厳をどう守るのかという問いを突きつけています。
軍事的な支配が長期化すれば、次のような問題が、国際社会にとっても避けて通れないテーマになります。
- 復興や統治を誰がどのように担うのか
- 治安と人権のバランスをどう取るのか
- 避難や自発的退去が人々の生活にどんな影響を与えるのか
ガザをめぐるニュースは感情的な言説が先行しがちですが、現地の人々の暮らしと安全、そして持続的な政治的解決の条件は何かという視点から、冷静に情報を追い続けることが求められています。
Reference(s):
Israel approves plan to expand military operations, occupy Gaza
cgtn.com








