関税は米国物流をどう揺さぶる?ロングビーチ港の独占取材ルポ video poster
米国物流を揺さぶる関税問題 ロングビーチ港から見える現実
関税の応酬が続くなか、米国の物流現場で何が起きているのか。カリフォルニア州ロングビーチ港の取材を通じて、国際ニュースとしても重要なその実像が浮かび上がっています。
ロングビーチ港の物流会社に独占アクセス
CGTNのエディズ・ティヤンサン記者は最近、ロングビーチ港にある物流企業Waterfront Logisticsの施設に、独占的にアクセスする機会を得ました。普段はメディアにほとんど姿を見せない現場にカメラが入ったことで、米国物流の最前線で進行している変化が可視化されました。
取材では、同社の最高戦略責任者であるCSOが、米国各地の大手物流企業が直面している課題について、めったにない形で語りました。その中心にあるのが、現在も続く一連の関税措置です。
関税が生む「新たな複雑さ」とは
CSOが強調したのは、関税が単にコストを押し上げるだけでなく、物流オペレーションそのものに新しい層の複雑さを生んでいるという点でした。
- どの商品をどのタイミングで輸入・輸出するかという意思決定が難しくなる
- 通関手続きが増え、書類やデータ処理の負担が膨らむ
- 貨物の流れが読みづらくなり、倉庫スペースやトラックの手配が不安定になる
こうした変化は、港湾施設のスタッフからトラックドライバー、倉庫担当者まで、サプライチェーン全体にじわじわと負荷をかけているといいます。
米国西海岸の玄関口で起きていること
ロングビーチ港は、アジアとの貿易を含む膨大な貨物を扱う米国西海岸の重要な拠点の一つです。ここで物流が滞れば、米国内だけでなく世界各地のサプライチェーンにも影響が及びます。
関税の影響で、特定の品目の輸入量が急に増えたり減ったりすると、港の現場ではコンテナの置き場や作業シフトを短期間で調整しなければなりません。CSOは、こうした「読みづらさ」が現場のオペレーションを難しくしていると指摘しました。
日本やアジアの企業にとっての意味
この米国物流の変化は、日本やアジアの企業にとっても無関係ではありません。米国向けの輸出や、米国内の拠点から第三国へ再輸出するビジネスでは、ロングビーチ港のような港湾の混雑や不確実性が、納期やコストに直結します。
とくに、在庫を絞り込んで運営してきた企業ほど、港や物流会社の混乱に弱くなりがちです。関税による価格変動に加え、物流リスクも織り込んだうえでサプライチェーンを設計する必要性が高まっていると言えるでしょう。
「関税時代」の物流戦略をどう考えるか
今回の独占取材は、関税問題をめぐる議論が、交渉の駆け引きや政治のニュースにとどまらず、日々の物流現場にまで深く入り込んでいることを示しています。現場で働く人々にとっては、政策の変化はすぐに業務プロセスの見直しやシステム改修という形で跳ね返ってきます。
関税をめぐる不透明な環境が続くなかで、企業に求められるのは、一つの国やルートに依存し過ぎない調達と輸送の設計、そして状況変化を素早くとらえる情報感度です。ロングビーチ港の現場から見える「関税と物流」のリアルは、国際ビジネスに関わるすべてのプレーヤーにとって、2025年のいま改めて考えるべきテーマとなっています。
Reference(s):
cgtn.com








