アメリカで破産検討がコロナ前以来の高水準 インフレと記録的債務の影 video poster
アメリカで自己破産を「検討」する人の数が、新型コロナ流行前以来の高水準に達しています。記録的な債務と根強いインフレが家計を圧迫するなか、この動きは世界経済にも静かな警鐘を鳴らしています。
国際ニュースを伝える CGTN のカリナ・ミッチェル記者によると、多くのアメリカ人が法的な破産手続きに踏み切るかどうか、真剣に判断を迫られているといいます。2025年現在、その「迷い」が増えているという事実は、アメリカ社会の足元に広がる経済的不安を映し出しています。
アメリカで何が起きているのか
今回焦点となっているのは、実際の破産申請件数だけでなく、「破産を検討している人」の増加です。つまり、弁護士事務所や相談窓口にアクセスし、借金を整理する最終手段として破産を視野に入れる人が、新型コロナ流行前を上回る水準になっていると伝えられています。
破産は、借金を法的に整理し、生活を立て直すための制度です。一方で、クレジット情報への影響など長期的なリスクもあるため、実際に申請するかどうかは多くの人にとって最後まで悩む決断です。その「検討層」が過去最大級に膨らんでいるということは、家計の余裕がそれだけ失われているとも読めます。
背景にあるインフレと記録的な債務
アメリカの破産検討者が増えている背景には、インフレと記録的な債務水準という二つの要因があります。物価上昇が続くと、同じ収入でも生活費がかさみ、貯蓄を取り崩したり、クレジットカードやローンに頼る場面が増えていきます。
家計の借金が積み上がる一方で、返済に充てられる可処分所得はインフレによって圧迫されます。その結果、毎月の支払いが限界に近づき、「このままでは返せないかもしれない」と感じる人が、破産という選択肢を現実的に意識せざるを得なくなっていると考えられます。
なぜ今 破産を「検討」する人が増えているのか
では、なぜ2025年の今、アメリカで破産を検討する人が急増しているのでしょうか。そこには、次のような構図があります。
- 物価上昇が続く一方で、収入の伸びが追いつかない
- 借金残高が膨らみ、毎月の返済が家計を圧迫している
- 医療費や教育費など、削りにくい支出が重くのしかかっている
こうした状況では、節約だけでは追いつかず、分割払いの延長や新たな借入で当面をしのぐケースも増えます。しかし、それでも限界を超えたとき、最後の選択肢として破産が浮上します。「検討する人」が増えているということは、多くの家計がそのギリギリのラインに近づいていることを意味します。
日本や世界への影響は
アメリカは世界最大級の消費市場であり、その家計が厳しくなることは、世界経済にも無関係ではありません。アメリカ人の消費が冷え込めば、現地で事業を展開する日本企業や、アメリカ向け輸出に依存する産業にも波及する可能性があります。
また、家計不安が広がれば、金融市場の不安定化や、政治・社会の分断の深まりにつながるリスクもあります。今回の「破産検討の増加」は、一国の家計問題にとどまらず、世界経済の先行きを読むうえで注視すべきシグナルといえます。
日本の家計にとっての示唆
アメリカの動きは、日本の私たちにとっても他人事ではありません。インフレや金利の変化、雇用環境の揺らぎは、日本の家計にも少しずつ影響を与えつつあります。今回のニュースから、次のような点をあらためて意識しておくことができそうです。
- 毎月の収支と借金の状況を「見える化」して把握する
- ローンやクレジットの条件を定期的に見直す
- 返済が苦しくなりそうな気配を感じた段階で、早めに専門家に相談する
破産はあくまで最後の選択肢ですが、そこに追い込まれる前にできることは少なくありません。アメリカの事例は、家計リスクを前倒しで点検するきっかけにもなります。
これからの注目ポイント
今後は、アメリカの破産関連統計がどのように推移するか、そしてインフレや賃金の動きがどう変化するかが焦点となります。家計の負担感が和らげば、破産を検討する人の数も次第に落ち着く可能性がありますが、逆に悪化すれば、実際の破産申請の増加という形で表面化することもありえます。
2025年の世界経済を読み解くうえで、「アメリカの家計」は重要な観測ポイントです。ニュースを追いながら、自分自身の家計の足元も静かに見直してみることが、これからの不確実な時代を乗り切る一歩になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








