米中関税が直撃 ベビー用品値上がりで妊娠中の親に重い負担 video poster
米中の関税をめぐる対立が落ち着きつつある一方で、その余波は今も静かに家計を圧迫しています。とくに影響が大きいのが、これから子どもを迎える妊娠中の親たち。ベビー用品の多くが高い関税の対象となり、「想定外の出費」が現実になりつつあります。
中国の国際メディアCGTNのポピー・ムプティング記者は、米国が中国からの輸入品にかけた高い関税が、ベビーカーやベビーベッドなどの価格を押し上げ、消費者、とりわけ新米の親たちの負担になっていると伝えています。
冷え始めた「関税戦争」でも残るツケ
米国と中国の間では、トランプ政権期に、中国からの輸入品に対して高い関税率が一斉に導入されました。その後、米中の関係や通商交渉は徐々に落ち着きを見せ、いわゆる「関税戦争」は最も緊張が高まっていた時期からは後退しつつあります。
しかし、いったん課された関税はすぐには元に戻らず、多くの品目で高い税率が維持されたままです。その結果、輸入企業や小売店は仕入れコストの上昇に直面し、最終的には消費者価格に転嫁せざるをえない状況が続いています。
なぜベビー用品が大きな打撃を受けているのか
ベビー用品市場は、米国でも中国本土など海外からの輸入に依存している分野の一つです。ベビーカー、チャイルドシート、ベビーベッド、抱っこひも、おもちゃといった多くの製品が、中国本土で生産され、米国に輸出されています。
こうした品目が高い関税の対象となると、1つ1つの値上がり幅は数十ドルでも、出産準備で一式そろえようとすると、合計額は一気に膨らみます。妊娠中の親たちは、短期間のうちにまとまった支出を迫られるだけに、関税の影響を強く感じやすいといえます。
「こんなにかかるとは」期待と不安が交錯する出産準備
出産を控えた親たちは、赤ちゃんを迎える喜びと同時に、経済的な不安にも向き合うことになります。関税によるベビー用品の値上がりは、そうした不安をさらに強める要因となっています。
ある家庭では、ベビーカーやチャイルドシート、ベビーベッドなど「安全性を優先したい」必需品だけで予算が想定より大きくふくらみ、他の支出を削らざるをえないケースも出ているといいます。節約のために、中古品やレンタルを検討する人も増えています。
見えにくい「ベビー税」? 関税が家計に与える影響
関税は企業に課されますが、最終的には小売価格に反映されることが多く、消費者にとっては「見えにくい税金」のような存在です。とくにベビー用品のように、購入のタイミングを自由に選べない品目では、価格が多少高くても買わざるをえません。
その意味で、米中間の関税政策は、抽象的な「国際政治」の話ではなく、赤ちゃんを迎える家庭の生活設計や、将来の貯蓄計画にも直接かかわるテーマになっています。ムプティング記者のリポートは、関税をめぐる議論の「人間の顔」を映し出そうとする試みとも言えます。
親たちがとれる現実的な対策
関税の決定は政府レベルの政策であり、個人がすぐに変えることはできません。それでも、妊娠中の親や子育て世代が取れる小さな対策はいくつかあります。
- 必要なベビー用品をリスト化し、「本当に必要なもの」から優先して購入する
- 中古品やレンタルサービス、友人・家族からの譲り受けを積極的に検討する
- オンラインと実店舗で価格を比較し、セール時期を活用する
- 長く使える多機能な製品を選び、買い替え回数を減らす
こうした工夫で負担を軽減しつつ、どの分野に関税がかかり、どのように家計に影響しているのかを知ることも、消費者としての大切な一歩になりそうです。
国際ニュースを「自分ごと」として捉える
米中の関税をめぐる動きは、日本を含む世界の市場やサプライチェーンにも影響を与えています。CGTNの今回の報道は、国同士の駆け引きが、遠く離れた家庭の出産準備や日常生活にまで波及している現実を、具体的な例を通して示しています。
国際ニュースを追うとき、「それが自分の生活とどう関係しているのか」という視点を持つことで、数字や政策の話が、より立体的に見えてきます。ベビー用品をめぐる関税の問題は、その典型例と言えるのではないでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








