ガザ空爆で一晩で58人死亡 イスラエル地上攻勢へ準備か
イスラエルによるガザ地区への空爆が再び激しさを増しています。現地の保健当局によると、土曜日未明からの一連の攻撃で少なくとも58人が死亡し、地上での大規模な新作戦に向けて動き出したとの見方が強まっています。
一晩で58人死亡 病院「状況は壊滅的」
土曜日、ガザ地区の保健当局は、イスラエル空軍による新たな空爆で少なくとも58人が死亡したと明らかにしました。木曜日以降に空爆で死亡した住民は300人を超え、ことし3月に停戦が崩壊して以降でも最も犠牲者が多い局面の一つとなっています。
ガザ北部にあるインドネシア病院の院長マルワン・アルスルタン氏は「午前0時以降に58人の殉教者を受け入れた。多くの被害者はいまもがれきの下に取り残されている。病院内の状況は壊滅的だ」と語り、医療体制の逼迫を訴えました。
ガザの保健当局によると、イスラエルの軍事作戦が始まった2023年10月7日以降、これまでに5万3000人以上が死亡し、住民のほぼ全員が住まいを追われています。今回の空爆は、すでに疲弊した市民生活にさらに大きな打撃を与えています。
地上作戦「ギデオンのワゴン」 作戦拡大に向けた動き
イスラエル軍は土曜日、ガザ地区で広範囲の空爆を行い、部隊を動員していると発表しました。ガザの一部地域で「作戦上の支配」を確立するため、地上作戦の拡大に向けた準備だとしています。国境沿いには装甲部隊も集結しており、緊張が一段と高まっています。
こうした動きは、イスラエルがギデオンのワゴン作戦と名付けた新たな軍事作戦の初期段階と位置づけられています。イスラエル側は、この作戦の目的をハマスの軍事的・統治能力の排除と、人質の解放にあると説明しています。
イスラエルの国防当局者は今月初め、アメリカのトランプ大統領の中東歴訪が終わるまでは大規模地上作戦を開始しないと述べていました。トランプ大統領は金曜日に歴訪を終えましたが、停戦に向けた目に見える進展はなく、むしろイスラエルが地上攻勢に踏み切るとの観測が強まっています。
封鎖76日と飢餓の懸念 国連は「飢饉が迫る」と警告
国連の専門家たちは、イスラエルがガザ地区への支援物資搬入を76日前から遮断していると指摘し、飢饉が迫っていると警告しています。すでに多くの家庭が十分な食料を確保できず、飢えに直面しているとされます。
国連の人道問題調整官トム・フレッチャー氏は今週、国連安全保障理事会で、ガザでのジェノサイド(集団虐殺)を防ぐために安保理は行動するのかと問いかけ、各国に対応を迫りました。
イスラエルのネタニヤフ首相は5月5日、ガザ地区全域の占拠や支援物資の管理を含む、より拡大した集中的な攻勢計画を承認したと説明しています。現在の軍事行動がこうした計画とどのように結びつくのかが焦点となっています。
国際社会の圧力とガザの人々
トランプ大統領は金曜日、ガザで深刻化する飢餓と支援物資の必要性を認めましたが、停戦交渉の再開や封鎖解除に向けた具体的な合意には至っていません。
一方、国際社会からは、イスラエルに対しガザへの封鎖を解除し、停戦協議に復帰するよう求める声が高まっています。しかしイスラエルは、2023年10月7日にイスラエル南部の共同体が攻撃され、およそ1200人が死亡し約250人が人質として連れ去られたことを踏まえ、ハマスの軍事・統治能力の完全な排除を最優先の目標に掲げています。
安全保障上の懸念と、ガザの人々の人道的なニーズをどう両立させるのか。国際社会と地域の当事者に突きつけられている問いは一層重くなっています。
これから何を見るべきか
今後のガザ情勢を見ていくうえで、次の点が重要になりそうです。
- イスラエルがギデオンのワゴン作戦の名のもとで地上作戦をどこまで拡大するのか
- ガザへの支援物資搬入が再開され、飢餓リスクが和らぐのか
- 人質解放と停戦を結びつけた新たな政治的合意が成立するのか
絶え間ない空爆と地上戦の狭間で、ガザの人々は日々の生存そのものをかけた生活を余儀なくされています。現地からの声や国際社会の議論を丁寧に追いながら、一人ひとりがこの戦争をどう捉えるのか、改めて考えることが求められています。
Reference(s):
cgtn.com








