ポーランド大統領選、親EUワルシャワ市長が首位も僅差 来月決選投票へ
2025年12月のポーランド大統領選挙第1回投票で、親EU路線を掲げるワルシャワ市長ラファウ・トゥシャスコフスキ氏が首位に立ちました。ただし右派ライバルとの差はごくわずかで、来月の決選投票に向けて情勢は予断を許さない状況です。
親EUのトゥシャスコフスキ氏が僅差でトップ
今回の大統領選は、直近の週末に行われた第1回投票の全票が開票され、結果が明らかになりました。与党連合「市民連合」の一員であり、ドナルド・トゥスク首相の中道政党「市民プラットフォーム」の副党首でもあるトゥシャスコフスキ氏は、得票率31.36%でトップに立ちました。
これに対し、野党「法と正義(Law and Justice)」所属で、現職のアンジェイ・ドゥダ大統領を支えるカロル・ナヴロツキ氏は29.54%を獲得し、僅差で追う展開となりました。両者の差は2ポイントにも満たず、世論調査が予測していた4〜6ポイント差よりもはるかに小さい結果です。
事前の予想よりも接戦となったことで、トゥスク首相率いる連立政権に対する有権者の評価や、政権運営への期待と不満が、複雑な形で現れたとの見方が出ています。
若い有権者の動きがカギに
トゥシャスコフスキ氏は投開票後、記者団に対し「多くの若い人たちが投票所に足を運んでくれたことがうれしい。しかし、彼らに自分へ投票してもらうよう説得するのは大きな挑戦だ」と語りました。
この発言からは、若い有権者が今回の選挙で重要な役割を果たしている一方で、その支持がまだ固まり切っていないことがうかがえます。政治に距離を置きがちな若い世代をどう巻き込むかは、多くの国で共通する課題であり、ポーランドでも同じ構図が見えてきます。
ナヴロツキ氏は「社会的成果」の継続を訴え
一方のナヴロツキ氏は、ナショナリストとして知られ、今月には米ホワイトハウスの大統領執務室(オーバル・オフィス)でトランプ米大統領と会談するなど、保守的な支持層に訴える動きも見せてきました。
ナヴロツキ氏は、自身を「法と正義政権の社会的成果の守護者」と位置づけ、引き続き戦い抜く姿勢を強調しています。家族支援や社会保障など、同党が進めてきた政策を守る存在であることを前面に出し、右派・保守層の結集を図るねらいとみられます。
2023年の政権交代から続く「ねじれ」
今回の大統領選の結果について、複数のアナリストは、2023年10月の議会選挙で8年間続いた法と正義の政権を退けた市民連合の連立政権に対し、強いメッセージになっていると指摘しています。
議会選挙では中道・親EU路線の勢力が政権を握りましたが、大統領選では右派候補が僅差で追い上げており、国内世論が依然として深く割れていることが浮き彫りになっています。ポーランド政治は、親EUとナショナリズム、社会政策の継続と改革志向といった複数の軸で「綱引き」を続けているとも言えます。
来月の決選投票で何が争点になるのか
過半数を得る候補が出なかったため、ポーランドは来月、トゥシャスコフスキ氏とナヴロツキ氏による決選投票に向かいます。僅差の結果となった今、どちらが支持を広げるのかは、他候補に投票した有権者と棄権層がどう動くかにかかっています。
今後の注目ポイント
- 若い有権者がどの候補を支持するのか、あるいは投票所に足を運ぶのか
- 親EU路線の継続か、ナショナリズムを重視する路線かという選択
- 法と正義政権期の社会政策をどこまで守り、どこから見直すのか
- トゥスク首相率いる連立政権と大統領府の「ねじれ」が続くのかどうか
今回のポーランド大統領選は、欧州の中で同国がどのような立ち位置を選び、国内の分断をどう乗り越えようとするのかを映し出す一つの試金石になっています。来月の決選投票までの数週間で、両陣営がどのようにメッセージを磨き、有権者に訴えかけていくのかが注目されます。
Reference(s):
Pro-EU mayor wins first round of Poland's presidential election
cgtn.com








