米連邦最高裁の判断でベネズエラ移民が宙ぶらりんに 何が起きたのか video poster
今年5月19日、米国の連邦最高裁判所がトランプ政権側の主張を支持し、バイデン前大統領の時期に亡命を求めて入国したベネズエラ出身の移民から、法的な保護を取り上げることを認めました。この判断により、数十万人規模とされる人びとの在留が一気に不安定になり、全米の移民コミュニティに衝撃が走っています。
米連邦最高裁は何を認めたのか
中国の国際メディアCGTNの報道によると、米連邦最高裁は2025年5月19日、トランプ政権による移民政策の転換をめぐる判断を示しました。判決は、ベネズエラから米国に入り、バイデン前大統領のもとで亡命申請を行った人びとに対し、これまで与えられてきた法的な保護を解除できると認める内容です。
- トランプ政権側の主張を支持
- 対象は「数十万人規模」のベネズエラ移民
- これまでの保護措置を取り消すことが可能に
ここでいう「法的な保護」には、多くの場合、強制送還からの一時的な猶予や、在留中に働くことを認める許可などが含まれます。判決により、これらの保護が一斉にはく奪される可能性が出てきました。
保護を失うと移民の生活はどう変わるか
法的な保護がなくなると、移民の生活は一気に不安定になります。
- 強制送還の対象となるリスクが高まる
- 就労許可が更新されず、仕事を失う可能性がある
- 医療や教育など、公的サービスへのアクセスが制限されることもある
特に、家族で米国に渡った人びとにとっては、「明日には家族が引き離されるかもしれない」という不安が現実味を帯びてきます。生活基盤を築き始めたところで、それが突然足元から崩れかねない状況です。
ベネズエラから米国を目指した人びとの背景
ベネズエラからは近年、経済危機や社会不安から、多くの人びとが国外への移住を選択してきました。米国はその行き先の一つであり、バイデン前大統領の時期には、亡命を求めるベネズエラ出身者に対する保護が比較的広く認められてきた経緯があります。
その結果、数十万人規模のベネズエラ移民が、「アメリカで安全な生活を築ける」という期待を抱いて国境を越えました。しかし今回の最高裁判決により、その前提が大きく揺らいでいます。希望を頼りに決断した移住が、いま「宙ぶらりん」の状態に置かれているのです。
移民コミュニティに広がる不安と動揺
CGTNのアルジャー・ベイバーストック記者の伝えるところでは、この判決は全米の移民コミュニティに大きな衝撃を与えています。
- 今後、自分や家族が強制送還の対象になるのではないかという恐怖
- 雇用主が在留資格の行方を不安視し、雇用を控える動き
- 法的支援を求める相談が急増し、弁護士や支援団体が対応に追われる状況
こうした不安は、ベネズエラ出身者に限らず、他の移民コミュニティにも波及しています。「保護措置はいつでも変わり得る」というメッセージとして受け止められているからです。
最高裁判決から見える米国政治のいま
今回の判断は、移民政策が単に政権交代だけでなく、司法の判断によっても大きく左右されることを改めて示しました。
- 大統領が打ち出す移民政策は、しばしば裁判で争われる
- 最終的に米連邦最高裁が「どこまで許されるのか」の線引きを行う
- その結果、現場で暮らす移民の生活が大きく変わる
つまり移民政策は、政治(ホワイトハウスと議会)の問題であると同時に、司法(裁判所)の問題でもあります。今回の判決は、トランプ政権の移民への姿勢に司法が一定の「お墨付き」を与えた形となり、今後の議論にも影響を与えそうです。
日本の私たちはこのニュースをどう受け止めるか
遠く離れた米国の判決ですが、日本の読者にとっても考える材料が多く含まれています。世界のどこかで移民政策が大きく変わると、その波は他地域にも及びます。
- 「一度与えられた保護を後から取り上げること」は許されるのか
- 安全を求めて移動する人びとを、社会はどう受け止めるべきか
- 裁判所は、政治による移民政策の転換にどう向き合うべきか
日本でも、外国人労働者や難民認定をめぐる議論が続いています。米国で起きていることは、「制度の変更が当事者の生活にどれほど大きな影響を与えるか」を映し出す一つの鏡といえるでしょう。
ベネズエラからアメリカを目指した人びとが直面している「宙ぶらりん」の状態は、移民や難民をめぐるルールをどのように設計し、どのように変更していくのかという、世界共通の問いを私たちに投げかけています。
Reference(s):
cgtn.com








