米司法省、フロイドさん事件巡る警察改革和解交渉を打ち切り
2020年のジョージ・フロイドさんとブリアナ・テイラーさんの死亡事件を受けた米警察改革をめぐり、米司法省が主要都市との裁判所承認付き和解交渉を打ち切ったことが、米紙USAトゥデイの報道で明らかになりました。
ミネアポリスとルイビルの警察改革交渉を中止
米司法省は、ミネソタ州ミネアポリスとケンタッキー州ルイビルの警察当局との間で進めていた、裁判所の承認を前提とする警察改革の和解交渉を取りやめました。司法省は以前、これらの当局が黒人の人々の公民権を日常的に侵害していたと結論づけていました。
複数の警察組織で調査を終了し、違法認定も撤回
USAトゥデイによると、司法省はこの2都市だけでなく、以下の警察機関を対象とした調査も終了し、これまでの違法行為認定を取り下げました。
- アリゾナ州フェニックス市警
- テネシー州メンフィス市警
- ニュージャージー州トレントン市警
- ニューヨーク州マウントバーノン市警
- オクラホマ州オクラホマシティ市警
- ルイジアナ州警察
これらの捜査はいずれも、警察による市民の権利侵害が体系的に行われていないかどうかを検証するためのものでしたが、司法省は方針を転換した形です。
「地元の統制を奪う」司法省幹部の主張
民権局を統括するハミート・ディロン司法次官補は声明で、警察改革に関する包括的な和解合意について、地元の統制を弱めかねないと懸念を示しました。ディロン氏は、こうした合意はしばしば行き過ぎとなり、警察に対する地域社会の統制を選挙で選ばれていない官僚に移してしまうと主張しています。
同氏は、連邦政府が詳細な警察運営にまで踏み込むことに批判的な立場を明確にし、地域社会こそが警察の在り方を決めるべきだとの考えを打ち出しています。
2020年のフロイドさん・テイラーさん事件とのつながり
今回の動きは、2020年に相次いだ警察による致死的な拘束・銃撃事件を背景にしています。ミネアポリスでは2020年5月25日、当時警察官だったデレク・ショービン被告がジョージ・フロイドさんの首を膝で押さえつけ、フロイドさんが「息ができない」と訴える中で死亡しました。
またケンタッキー州ルイビルでは同年3月13日、警察が事前の通告なしに立ち入る「ノックなし令状」を執行した際、ブリアナ・テイラーさんが警察官により射殺されました。
この2つの事件は、当時のドナルド・トランプ大統領の任期最後の年に起き、世界各地で警察暴力と人種差別に対する怒りの声と抗議行動を引き起こしました。
5年を経た今も問われる「公民権」と「治安維持」のバランス
USAトゥデイは、司法省の発表がジョージ・フロイドさんの殺害から5年となる節目の数日前、水曜日に行われたと伝えています。フロイドさん事件から5年が過ぎた今も、アメリカ社会では警察の権限、市民の公民権、そして治安維持のバランスをどう取るかという課題が続いています。
一方で、連邦政府による包括的な介入を抑えようとする今回の判断は、警察改革を求める声と、地元の自律性を重視する考えとの間にある緊張関係を映し出しています。アメリカの警察制度と人種問題を見つめる上で、今後も重要な論点となりそうです。
Reference(s):
U.S. DOJ drops police reform settlements over Floyd, Taylor killings
cgtn.com







