EU、トランプ大統領の「50%関税」に反発 貿易協議に「敬意」を要求
米欧の貿易関係をめぐり、2025年に入って緊張が一段と高まっています。トランプ大統領がEU製品への関税を一気に50%へ引き上げるよう主張し、欧州委員会が「脅しではなく敬意を」と応じたためです。
この記事のポイント
- トランプ大統領がSNSで、EUからの輸入品に50%の関税を課すよう「推奨」すると投稿
- 欧州委員会は、貿易協議には「脅しではなく敬意」を持ち込むよう米側に要請
- 高関税が実際に導入されれば、米欧の貿易摩擦が世界経済に波及する可能性も
何が起きたのか
トランプ大統領は、自身のSNSプラットフォームであるTruth Socialに、EUからの輸入品に対して50%の関税を課すことを「推奨している」と投稿しました。発動のタイミングとしては6月1日からを示し、EUとの協議が「どこにも進んでいない」ことを理由に挙げています。
その後、ホワイトハウスの大統領執務室で記者団に対し、トランプ大統領は「取引を探しているわけではない。条件はすでに決まっていて、それが50%だ」と述べ、関税案を交渉材料ではなく既定路線のように語りました。
EU側の反応:「脅しではなく敬意を」
これに対し、欧州委員会は米国に対し、貿易協議の場に持ち込むべきなのは「脅しではなく敬意」だと強調しました。EUの通商担当トップであるMaros Sefcovic氏は、米通商代表のJamieson Greer氏や米商務長官のHoward Lutnick氏と協議し、EUは双方に利益となる合意の実現を目指していると伝えています。
EU側は、交渉を通じて米欧双方の産業と雇用を守る枠組みを模索したい考えで、一方的な高関税の示唆はその努力を損なうと懸念しています。
50%関税が意味するインパクト
関税とは、輸入品にかかる税金であり、その分だけ輸入品の価格は高くなります。50%という水準は非常に高く、例えば100ユーロの商品に50ユーロの税金が上乗せされるイメージです。
もし米国がEU製品に一律50%の関税を課せば、次のような影響が考えられます。
- EUから米国に輸出している企業のコストが急増し、米国内での価格競争力が大きく低下する
- 米国の消費者や企業にとっては、輸入品価格の上昇を通じて負担増につながる可能性がある
- EU側が対抗措置を検討すれば、報復関税の応酬による貿易摩擦の激化につながりかねない
今後の焦点:協議か対立か
2025年12月時点で、米EUの通商関係は重要な岐路に立っています。今回の発言をきっかけに、両者が改めて交渉テーブルに戻り、関税案の回避や調整を探る可能性があります。一方で、双方が強硬姿勢を崩さなければ、貿易摩擦が長期化するリスクも否定できません。
特に、自動車や機械、消費財など米欧間の取引が大きい分野では、企業の投資判断やサプライチェーンの見直しを迫られる可能性があります。日本やアジアの企業にとっても、EUや米国を拠点とする生産や販売に影響が及ぶかどうか、今後の交渉の行方を注視する必要があります。
日本の読者にとっての意味
一見遠い米EUの通商問題ですが、日本企業の多くはEUや米国に生産拠点や販売網を持っており、間接的な影響を受ける可能性があります。また、世界経済の不確実性が高まれば、為替や株式市場を通じて日本の家計や投資にも波及します。
関税をめぐる政治的な発言が、実際に政策として実行されるのか、それとも交渉の駆け引きにとどまるのか。今後数カ月の動きが、2026年以降の世界経済の方向性を占う試金石となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com







