スイス・アルプスで週末に山岳事故 6人死亡が映す冬山リスク
スイス・アルプスで、ある週末に山岳事故が相次ぎ、計6人が死亡しました。国際ニュースとしても関心を集めるこの事故は、人気の冬山スポーツが抱えるリスクを改めて示しています。
スイス・アルプスで同じ週末に6人死亡
スイス当局によると、アルプスの山岳地帯で同じ週末に2件の重大な事故が発生し、あわせて6人が命を落としました。いずれも観光地として知られるエリアで起きており、捜査と原因の確認が進められています。
高級リゾート・ツェルマット近郊で5人の遺体発見
1件目の事故は、高級リゾート地として知られるツェルマット近郊のリンプフィッシュホルンで起きました。標高4,199メートルのこの山は、ツェルマットの東、イタリア国境に近い場所に位置し、バックカントリースキー(スキー場の管理区域外を滑るスキー)で人気のエリアです。
当局の発表によると、山頂付近で放置されたスキーがあるとの登山者からの通報を受け、ヘリコプターが上空から周辺を捜索しました。その結果、間もなく5人の遺体が発見されました。
警察は、5人の身元特定と事故の経緯解明に向けた捜査を開始したとしています。現時点で、どのような経緯でスキーが放置され、5人が命を落としたのかは明らかになっていません。
ベルン州モルゲンホルンで雪崩、29歳の登山者死亡
さらに北に位置するベルン州のモルゲンホルンでも、別の事故が発生しました。ここでは雪崩に巻き込まれた29歳の登山者が死亡し、同じ雪崩に巻き込まれた2人は救助され、軽傷で病院に搬送されたということです。
雪崩が発生した詳しい場所や、登山者らがどのようなルートを取っていたのかなど、詳細は公表されていませんが、警察はこの事故についても調査を進めています。
2024〜25年冬シーズン、雪崩で15人死亡
雪と雪崩の研究を行う「Institute for the Study of Snow and Avalanches」によると、2024年10月1日から2025年5月17日までの冬シーズンに、スイスでは雪崩によって少なくとも15人が死亡しています。
スイスでは、登山やスキーなどのアウトドアスポーツが広く楽しまれており、冬の間、山岳事故は毎年のように発生しています。今回のモルゲンホルンでの雪崩事故も、その流れの中で起きたものだと言えます。
また、2024年3月には、ツェルマット近くの山でバックカントリースキーをしていた6人が暴風に巻き込まれて死亡し、そのうち5人は同じ家族でした。今回のリンプフィッシュホルンの事故は、同じツェルマット周辺地域で再び起きた悲劇となりました。
人気のアウトドアと「受け止めるべきリスク」
スイスの山岳地帯は世界中の登山者やスキーヤーを引きつけており、こうしたアウトドアは現地の暮らしや観光にも深く根づいています。一方で、天候の急変や雪崩、滑落などのリスクは完全には避けられません。
今回の一連の事故は、冬山や高山でのレジャーにおいて、私たちがどこまでリスクを許容し、どう向き合うのかという問いを投げかけています。特に次のような点は、冬山に入る際に改めて意識しておきたいポイントです。
- 天候や雪崩情報など、最新の条件を事前に確認すること
- ヘルメットや雪崩ビーコンなど、必要な装備を備えること
- 経験や技術に見合ったルート選択を行い、無理をしないこと
スイスで起きた出来事は、遠く離れた日本に暮らす私たちにとっても「他人事」ではありません。アウトドアブームが続く中で、安全と楽しさをどう両立させるのか。今回のニュースは、そのバランスを考え直すきっかけになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








