ジョージ・フロイドさんの死から5年 いま世界は何を学んだのか video poster
ジョージ・フロイドさんの死から5年:なぜ今、振り返るのか
米ミネアポリスで黒人男性ジョージ・フロイドさんが死亡した事件から5年が過ぎました。この国際ニュースは、アメリカ国内だけでなく世界各地で人種差別と警察のあり方をめぐる議論を巻き起こし、今も私たちの問いを更新し続けています。
当時の抗議デモや社会の反応は強烈な印象を残しましたが、時間がたつと、記憶はどうしても薄れていきます。一方で、友人や家族にとっては、5年という節目はあらためて故人を思い出す大切な「記憶の時間」でもあります。
ミネアポリスで何が起きたのか
事件が起きたのは、米ミネソタ州ミネアポリスです。ジョージ・フロイドさんは「非武装の黒人男性」であり、逮捕にあたった白人の警察官デレク・ショービン氏によって死亡しました。
フロイドさんの死亡は、「なぜ彼は命を落とさなければならなかったのか」「警察権力の行使は公正だったのか」という問いを、アメリカ社会に突きつけました。そしてその問いは、国境を越えて世界中に共有されていきます。
アメリカから世界へ広がった抗議の波
フロイドさんの死は、アメリカ各地での大規模な抗議行動につながりました。多くの人が街頭に出て、人種差別や警察による暴力に抗議する声を上げました。この動きは、ヨーロッパやアジアなど世界の都市にも波及し、国際ニュースとして大きく報じられました。
特に印象的だったのは、次のような点です。
- 警察と黒人コミュニティとの関係を見直すべきだという声が一気に可視化されたこと
- デモの様子や警察の対応が、SNSや動画投稿を通じてリアルタイムで世界に共有されたこと
- アメリカ社会の問題としてだけでなく、「自分たちの国にも差別はないのか」という問いとして各地で受け止められたこと
スマートフォンを通じて広がる映像と個人の声が、国境を越えた共感と議論を生んだ点も、この事件を象徴的な国際ニュースにしました。
家族と友人にとっての「5年」
一方で、フロイドさんの死は「社会を変えた出来事」であると同時に、ひとりの家族を失った個人的な悲劇でもあります。5年という時間は、遺族や友人にとって、悲しみと向き合いながら記憶をつなぎ直す節目の期間でもあります。
報道によると、フロイドさんの友人や家族にとって、この時期は追悼と記憶の時間として位置づけられています。街頭に出た多くの人が掲げたメッセージや祈りは、その家族に向けられた「あなたは一人ではない」という連帯の表明でもありました。
中国国際テレビ(CGTN)のダン・ウィリアムズ記者も、現地でフロイドさんの周囲の人々の思いを伝えています。彼らにとって5年という時間は、単に「歴史となった出来事」ではなく、今も続く日常の喪失と向き合うプロセスなのです。
事件が投げかけた3つの問い
フロイドさんの死から5年を迎えた今、事件は次のような問いを改めて突きつけています。
- 警察権力と市民の関係:治安維持の名のもとに、どこまで強制力が許されるのか。特定の人種やコミュニティが不当に標的になっていないか。
- 見えにくい差別:公然とした差別発言だけでなく、採用、教育、住環境など、日常の中に埋め込まれた「構造的な差別」をどう可視化し、減らしていくのか。
- SNSと世論形成:市民が撮影した動画や投稿が、一つの事件を世界的なニュースに変えていく時代に、私たちは情報をどう受け止め、どう共有すべきか。
これらはアメリカの問題にとどまらず、多くの国や地域で共通するテーマでもあります。
日本からこの国際ニュースをどう受け止めるか
日本に暮らす私たちにとって、フロイドさんの事件は「遠い国の話」として流してしまうこともできます。しかし、次のような視点で見ると、日常とつながったテーマとして考えることができます。
- 日本社会にも、国籍、出自、見た目、性別などを理由にしたさまざまな偏見や差別が存在していないか。
- ニュースで見聞きする警察の対応や報道のされ方に、無意識の前提やバイアスが入り込んでいないか。
- SNSで拡散される映像を、感情だけでなく「何が映っていて、何が映っていないか」を意識しながら見ているか。
国際ニュースを日本語で追うことは、世界の出来事を通じて自分の社会を映し出す鏡を持つことにもつながります。
「変わること」と「忘れないこと」のあいだで
フロイドさんの死をきっかけに、世界では差別や警察制度をめぐる議論が高まりました。しかし、深く根を張った問題が短期間で解決することはありません。変化はときに小さく、見えにくいものです。
一方で、「忘れないこと」には大きな意味があります。個々の事件の背景にある構造を理解しようとすること、当事者や遺族の声に耳を傾けることは、社会を少しずつ変えていく土台になります。
これから私たちにできる3つのアクション
最後に、この国際ニュースを見た私たちが、日常のなかでできる小さなアクションを3つ挙げてみます。
- ニュースを追い続ける:事件の「その後」や、同じテーマに関する報道を継続的にチェックし、短期的な話題で終わらせない。
- 身近な会話に持ち込む:家族や友人、同僚との雑談の中で、「あのニュース、どう思った?」と話題にし、自分とは異なる視点を聞いてみる。
- SNSでの共有を工夫する:記事や動画をただ拡散するだけでなく、簡単な一言コメントを添えて、自分なりの問いや気づきを発信してみる。
ジョージ・フロイドさんの死から5年あまりが過ぎた今、この事件は「過去の出来事」ではなく、「今を考えるための入り口」として、私たちに問いかけ続けています。
Reference(s):
cgtn.com








