UNRWAが語るガザ人道危機 支援は海の一滴にも満たない video poster
パレスチナ難民を支援する国連機関UNRWAが、ガザ地区で進む人道危機について強い懸念を示しています。報道官は、現在ガザに届いている支援物資は「海の一滴にも満たない」レベルだと警告しました。
UNRWA「支援は海の一滴にも満たない」
UNRWAの報道官ジョナサン・ファウラー氏は、中国のメディアCGTNのインタビューで、ガザ地区の状況を「完全な人道的悲劇」と表現しました。
ファウラー氏によると、ここ最近ガザに入った食料の量は、よく「海の一滴」に例えられていますが、「その表現でさえ実態よりもはるかに甘い」といいます。
UNRWAが「住民の生存に必要な最低限のニーズ」を満たすために必要だとする支援トラックは、1日あたり500〜600台。しかし、実際にはその水準にはほど遠い状況が続いています。
現在主に許可されているのは小麦粉に限られており、栄養や生活に必要な品目を十分にカバーできていないと指摘します。ファウラー氏は「ニーズは圧倒的で、現在の支援ではまったく追いついていない」と語りました。
ガザ南部から先へ届かない支援
物資がガザ地区に入ったとしても、その配布自体が大きな課題になっています。ファウラー氏は、ガザ南部の都市ハーン・ユーニスより北側へ支援を届けることが「きわめて困難だ」と説明しました。
イスラエルによる封鎖で支援車両の通行が厳しく制限されているため、UNRWAは避難所に身を寄せる多数の人々を十分に支えることができていません。必要とする地域ほど支援が届きにくいという、深刻な「ミスマッチ」が生じています。
ファウラー氏は、ガザでの人道支援について「ニーズは満たされていない。支援は妨げられることなくガザに流れ込む必要があり、それは直ちに実現されなければならない」と強調しました。
命がけで支援を続けるUNRWA職員
こうした厳しい条件のもと、UNRWAの職員自身も大きな危険にさらされています。ファウラー氏によると、ガザでは現在も約1万2000人の職員が活動を続けていますが、「自らの命を極めて大きなリスクにさらしながら」支援にあたっているといいます。
その中で、これまでに300人を超える職員が命を落としました。多くの場合、家族も一緒に犠牲になっているとされ、組織にとってもガザ社会にとっても深い痛手となっています。
- 稼働中のUNRWA職員:約1万2000人
- これまでに死亡した職員:300人以上
- 最低限必要とされる支援トラック:1日500〜600台
UNRWAは、避難所や臨時のシェルターを通じて、ガザで身を寄せる何十万もの人々を支えようとしています。しかし、封鎖などにより、その努力はたびたび妨げられているといいます。
問われる「妨げのない支援」の実現
ファウラー氏が繰り返し訴えるのは、支援物資の量だけでなく「妨げのない流れ」の重要性です。物資が十分にあっても、国境や検問所で滞れば、現場の人々に届くまでに時間がかかり、命にかかわる遅れとなりかねません。
支援の通路をいかに確保するかは、国際社会全体に突きつけられた課題でもあります。ガザの人道危機をめぐる議論は、単なる政治的対立ではなく、「生存の最低ライン」をどう守るかという、ごく基本的な問いを改めて浮かび上がらせています。
UNRWAの現地職員が命をかけて発しているメッセージは、ガザで起きていることを遠くから見つめる人々にとっても、自分の関心や情報の取り方を見直すきっかけになりそうです。
Reference(s):
UNRWA: Aid trickling into Gaza not even 'a drop in the ocean'
cgtn.com








