トランプ米大統領の関税が米広告業界に波紋 年末の稼ぎ時に広がる不安 video poster
2025年末の今、トランプ米大統領による関税を軸とした貿易摩擦が、米国の広告業界にも影を落としています。景気の先行きが見えにくいなか、年末の稼ぎ時を迎えた米広告市場で何が起きているのでしょうか。
関税と景気の不透明感が広告費を揺さぶる
米国では、トランプ大統領の貿易政策によって、企業が輸入品や部材にかかるコストを読みづらい状況が続いています。市場関係者によると、こうした経済の不確実性が、広告費の出し方にも影響し始めているとされています。
企業にとって広告は、売り上げ拡大のための重要な投資ですが、景気が読めないと、まず削られやすい費目でもあります。売り上げ見通しが立たなければ、広告予算を前の年と同じ水準で維持するかどうか、経営陣が慎重になるのは当然です。
年末の「一番の稼ぎ時」に広がる慎重ムード
特に、年末商戦は米国広告業界にとって一年で最も重要な時期といわれます。小売りやテクノロジー企業など、多くの企業がホリデーシーズンに合わせて大型キャンペーンを展開し、テレビやデジタル広告枠を一気に買い付けるのが通例です。
しかし、関税によるコスト増や消費者心理の冷え込みが意識される中で、企業は広告出稿のタイミングや規模をぎりぎりまで見極めようとしています。その結果、
- 長期の広告契約ではなく、短期・スポット出稿を選ぶ
- テレビよりも効果測定しやすいデジタル広告に比重を移す
- 予算そのものを抑え、来年以降の状況を見て増減を判断する
といった慎重な動きが広がりやすくなります。
米メディア各社は新しいテレビ・デジタル商品で攻勢
こうしたなかでも、米国の主要メディア企業は広告主を惹きつけようと、新しいテレビ番組やデジタルサービスを次々と打ち出しています。市場関係者によれば、各社は最新の視聴データやターゲティング技術を組み合わせ、広告主にとって投資効果が見えやすい提案を強めているといいます。
例えば、テレビとネット動画をまとめて購入できるパッケージや、視聴者データに基づいて広告の出し分けができる仕組みなど、広告枠そのものの価値を高める工夫が進んでいます。景気の不透明感が強いときほど、メディア側は広告費を減らすのではなく、より効率的に使ってほしいと訴えやすくなります。
日本の広告主が押さえておきたい視点
今回の動きは米国の事例ですが、グローバル経済のつながりを考えると、日本企業や日本の広告業界にとっても無関係ではありません。米国の景気や貿易政策は、日本企業の輸出や現地ビジネス、さらにはマーケティング戦略にもすぐに波及し得るからです。
日本の広告主やマーケターにとって参考になるポイントとしては、
- 景気が読みにくいときほど、複数のシナリオを想定した広告予算の計画を用意しておく
- テレビ、デジタル、屋外など媒体ごとの役割を整理し、短期と中長期の両方で効果を測る
- メディア企業と早めに対話し、不確実な環境でも柔軟に変更しやすい契約や商品を選ぶ
といった点が挙げられます。
2026年に向けての注目点
2025年の年末商戦が終わったあとも、関税を巡る議論や貿易摩擦の行方がすぐに落ち着くとは限りません。2026年にかけて、
- 米企業の広告費全体が伸びるのか、それとも横ばい・減少に向かうのか
- テレビとデジタルの広告予算配分がどのように変わるのか
- 米国での広告の動きが、日本企業の海外向けマーケティングにどう影響するのか
といった点は、日本からも注視しておきたいところです。
関税や貿易政策の変化は、一見すると製造業や金融市場だけの問題に見えますが、その波はメディアや広告、ひいては私たちが日々目にする情報のかたちにまで及びます。経済のニュースを追うときには、広告やマーケティングの視点からも眺めてみると、新しい発見があるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








