シャングリラ・ダイアローグ2025開幕 シンガポールで安全保障を議論
アジアの防衛・安全保障分野で注目される国際会議「シャングリラ・ダイアローグ2025」(第22回)がシンガポールで開幕しました。地政学的な緊張が高まる中、アジアと欧州、米国などの要人が集まり、地域協力からロシア ウクライナ紛争まで幅広い安全保障課題を議論します。
アジアの主要防衛会議、第22回がシンガポールで開催
シンガポール国防省によると、今回のシャングリラ・ダイアローグ2025には、アジアを中心とする国際ニュースでも注目される規模の代表団が参加しています。
- 参加国は47カ国
- 閣僚級代表が40人
- 国防軍トップ級の代表が20人
- これに加え、多数の上級国防当局者や研究者が出席
中国人民解放軍国防大学からの代表団も参加しており、アジアの安全保障をめぐる議論に存在感を示しています。会議は金曜日から日曜日までの3日間の日程で行われます。
各国要人の発言が示す三つの視点
マクロン仏大統領 アジアと欧州の共通利益を強調
初日の基調講演では、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が登壇しました。マクロン氏は、アジアと欧州には「国際秩序の分断を防ぐ」という共通の利益があると強調し、地域を超えた協調の必要性を訴えました。ウクライナ情勢などで揺れる欧州が、インド太平洋地域との連携をどう位置づけるかが一つの焦点となります。
米国 ヘグセット国防長官のインド太平洋戦略
翌土曜日には、米国のピート・ヘグセット国防長官がインド太平洋の安全保障に向けた新たな方針について演説する予定です。観測筋によれば、ヘグセット氏には、アジアの同盟国やパートナーの信頼をどこまでつなぎとめられるかという難しい課題が突きつけられています。多くの国々が、ドナルド・トランプ大統領による通商政策を含む大きな政策変更の影響に慎重な姿勢を崩していないためです。
マレーシアとEU 地域と世界をつなぐ視点
土曜日には、マレーシアのアンワル・イブラヒム首相も登壇し、基調演説を行う予定です。イブラヒム氏は、地政学的な不確実性と地経学的な分断が深まる中で、ASEANの議長国としてマレーシアがどのように地域とその先の世界に戦略的リーダーシップを発揮していくのかを示すとみられます。
欧州連合(EU)からは、外交安全保障上級代表のカヤ・カラス氏も土曜日に演説を予定しており、欧州の視点からインド太平洋やロシア ウクライナ紛争をめぐる政策を語る場となります。
焦点となるテーマは何か
専門家の見立てでは、シャングリラ・ダイアローグ2025で議論の中心となるテーマは次のようなものだとされています。
- 地域協力と安全保障枠組みの再構築
- 米国の安全保障政策とインド太平洋戦略
- 続くロシア ウクライナ紛争がアジアにもたらす影響
- 米国の大規模な関税措置が世界経済と安全保障に与える波及
特に、米国による関税の広範な引き上げがサプライチェーンや投資の判断、さらには各国の安全保障戦略にどのような影響を及ぼすのかは、多くの参加者が注視するポイントです。各国の防衛当局者や政策担当者は、この会議を通じてパートナー国を安心させつつ、多極化が進む安全保障環境の中で自国の立ち位置を探ろうとしています。
日本の読者が押さえておきたい視点
シャングリラ・ダイアローグ2025で交わされる議論は、日本を含むアジアの安全保障環境や経済秩序にも間接的に影響し得るテーマです。インド太平洋を軸とした国際ニュースを読み解くうえで、次のような問いを意識しておくと議論の背景が見えやすくなります。
- アジアと欧州は、国際秩序の分断をどのように防ごうとしているのか
- 米国のインド太平洋戦略は、同盟国やパートナーにどのように受け止められているのか
- ロシア ウクライナ紛争と通商をめぐる摩擦は、アジアの安全保障議論にどう重なっていくのか
会議は金曜日から日曜日までの3日間にわたって行われ、期間中の発言やメッセージが、今後の地域秩序や各国の安全保障政策を読み解く重要な手がかりとなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com







