世界禁煙デー2025:たばこ産業の「魅力」の裏側と弱い立場の人々 video poster
世界禁煙デーは、たばこの健康被害と産業の戦略に光を当てる国際的な取り組みです。今年5月31日に行われた世界禁煙デーでは、たばこ産業がいまも弱い立場の人々を狙い続けている現実に焦点が当てられました。
世界禁煙デー2025のテーマは「魅力の正体を暴く」
世界保健機関(WHO)が主導する世界禁煙デーは、毎年5月31日に実施される国際的なキャンペーンです。2025年のテーマは「Unmasking the Appeal: Exposing Industry Tactics on Tobacco and Nicotine Products(魅力の仮面をはがす:たばこ・ニコチン製品に潜む業界の手口を暴く)」とされています。
このテーマが示すのは、「魅力的」に見えるたばこやニコチン製品の背景に、綿密に計算された産業の戦略があるという視点です。特に、経済的・社会的に弱い立場に置かれがちな人々が、そうした戦略の矢面に立たされているという問題意識が共有されました。
なぜ「弱い立場の人々」が狙われるのか
世界禁煙デーのメッセージによれば、たばこ企業は今もなお、さまざまな戦術を通じて弱い立場の人々を取り込もうとしているとされています。ここでいう弱い立場とは、例えば次のような人々を指します。
- 若年層や学生など、情報や経験が限られた人々
- 経済的に不安定な人々や、生活にストレスを抱える人々
- 職場や家庭などの環境から抜け出しにくい状況にある人々
こうした層は、「気分転換」「ストレス解消」「仲間との一体感」といったメッセージに弱くなりがちです。世界禁煙デーは、その「魅力」が必ずしも本人の自由な選択ではなく、産業側の戦略によって形づくられている可能性を指摘しています。
「魅力」に見えるものを分解してみる
2025年のテーマ「魅力の仮面をはがす」というメッセージは、私たち一人ひとりに、たばこ・ニコチン製品のイメージを批判的に見直すよう呼びかけています。たとえば、次のようなポイントに注目すると、見え方が変わってきます。
- デザインや香り:おしゃれさや甘い香りは、誰にとって魅力的に見えるよう設計されているのか
- 広告やプロモーション:どの世代、どの地域の人にリーチしようとしているのか
- 価格や販売方法:手に取りやすい価格帯や売り方が、特定の人々を狙っていないか
これらを一つずつ分解して考えることで、「なんとなく良さそう」に見えていたものの裏側にある意図を想像しやすくなります。
2025年のメッセージは年末の今も有効
世界禁煙デー自体は毎年5月31日の一日ですが、2025年のテーマが投げかけた問いは、12月の今も色あせていません。むしろ年末は、仕事や生活のストレスが高まり、たばこやニコチン製品に手を伸ばしやすくなる時期でもあります。
だからこそ、今年のメッセージを振り返ることには意味があります。「なぜ自分はそれを吸いたいと思うのか」「その感情はどこから生まれているのか」といった問いを自分自身に向けることは、小さな一歩ですが確かな変化につながります。
私たちにできる3つのアクション
世界禁煙デーのテーマに沿って、日常の中で実践しやすいアクションを3つ挙げてみます。
- 情報の出どころを意識する
たばこ・ニコチン製品に関するメッセージを見たとき、その情報が誰の利益につながるのか、一度立ち止まって考えてみることが大切です。 - 身近な人と話題にする
友人や家族、同僚との会話の中で、「今年の世界禁煙デーは産業の戦略に焦点を当てていたらしい」と共有するだけでも、周囲の視点が少し変わるかもしれません。 - 自分のペースで距離をとる
すぐにやめるかどうかではなく、「本数を減らす」「買う頻度を見直す」など、自分に合ったペースで距離をとってみることも一つの選択です。
次の世界禁煙デーに向けて
世界禁煙デーは「毎年5月31日に行われる」とされています。つまり、2026年の同じ日に向けて、私たちはこれから約半年の時間を持っていることになります。
その間に、自分や身近な人の喫煙との付き合い方を振り返ったり、たばこ産業の戦略についてニュースを追ったりすることで、次の世界禁煙デーを「知って終わり」ではなく、「自分ごととして考える機会」に変えることができます。
弱い立場の人々が狙われ続ける構図を変えるには、一人ひとりが「魅力の仮面」をはがす視点を持つことが欠かせません。今年の世界禁煙デーのテーマは、そのための出発点として、今も有効なヒントを与えてくれています。
Reference(s):
cgtn.com








