コロラド・デモ襲撃で連邦ヘイトクライム適用 容疑者は1年以上計画か video poster
米コロラド州ボルダーでデモ参加者を狙った襲撃事件が発生し、12人が負傷しました。容疑者は連邦レベルのヘイトクライム(憎悪犯罪)などで訴追され、アメリカ社会の分断とデモの安全をあらためて問い直しています。
デモ参加者を狙った襲撃、12人が負傷
米コロラド州ボルダーで日曜日、デモに参加していた人々の集団が暴力的な襲撃を受け、12人がけがをしました。当局によると、容疑者のモハメド・サブリ・ソリマン氏はこの襲撃に関与した疑いで身柄を拘束され、連邦のヘイトクライムにあたる罪を含む複数の重罪で訴追されています。
ソリマン氏には保釈金として1000万ドルが設定されており、巨額の保釈金が科されていることからも、事件の重大性がうかがえます。
1年以上かけた計画と手製の焼夷装置
裁判所に提出された文書によれば、ソリマン氏は手製の焼夷装置を用いた襲撃を1年以上前から計画していたとされています。即席で作られた火炎装置であっても、人が密集するデモ会場では大きな被害を引き起こすおそれがあり、今回の事件でも複数の負傷者が出ました。
計画段階から長期間にわたり準備が行われていたとみられることは、個人の強い敵意や偏見が時間をかけて暴力へと変質していく過程を示しているともいえます。
「全てのシオニストを殺したかった」と供述
ソリマン氏は警察の取り調べに対し、「全てのシオニストの人々を殺したかった」と述べたとされています。この発言から、政治的・宗教的立場と結びつけられた人々を標的にした動機があったとみられ、当局は事件をヘイトクライムとして扱っています。
アメリカでは、人種や宗教、民族、出自、政治的立場などを理由に特定の集団を狙う犯罪は、ヘイトクライムとして重く処罰されます。単なる個人的なトラブルではなく、「ある属性を持つ人なら誰でもよかった」という動機が問われる点が特徴です。
妻と5人の子どもは移民当局の拘束下に
国土安全保障省のクリスティ・ノーム長官によると、6月3日(火)にはソリマン氏の妻と5人の子どもが、米移民・税関執行局(ICE)の拘束下に置かれました。重大事件の捜査が進むなかで、家族の在留資格や今後の滞在の扱いも、別の行政手続きとして焦点となっています。
刑事事件と移民行政が交差するこうしたケースでは、本人だけでなく家族の生活や地域社会にも影響が広がることが少なくありません。
分断が深まる社会で、何を守るべきか
デモや集会は、意見の違いがあっても平和的な手段で主張を伝える場であるべきものです。そこに、特定の集団への憎悪を動機とした暴力が持ち込まれたとすれば、民主社会の前提そのものが揺らぎます。
今回の事件は、次のような問いを私たちに投げかけています。
- 異なる立場や背景を持つ人を、安易に「敵」とラベル付けしていないか
- オンライン上の過激な言葉や陰謀論が、現実の暴力につながるリスクを過小評価していないか
- デモや集会に参加する人々の安全を、社会としてどう守るのか
海外で起きた事件であっても、分断や憎悪が暴力に変わるプロセスは、どの社会にとっても無縁ではありません。ニュースをきっかけに、自分の身の回りの言葉や空気感、少数派へのまなざしを見直してみることが、同じ悲劇を繰り返さないための第一歩になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








