元イスラエル首相、トランプ氏にガザ戦闘停止を要求
リード
米国のトランプ大統領は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相にガザでの戦闘停止を迫るべきだ――。2025年6月、元イスラエル首相エフド・オルメルト氏がパリでのAFPインタビューでこう訴えました。戦争の継続を「犯罪」とまで表現し、イスラエルとパレスチナの二国家解決こそ唯一の道だと語っています。
トランプ氏に「もう十分だと言うべきだ」
オルメルト氏は、米国はイスラエル政府に対して「他のいかなる大国をすべて合わせたよりも大きな影響力」を持っており、トランプ大統領ならガザでの戦争を止めることができると強調しました。
インタビューの中で同氏は、トランプ氏はネタニヤフ首相に対して「もう十分だ」とはっきり伝えるべきだと述べています。米国が方針を変えれば、イスラエルの軍事行動の行方にも決定的な影響を与えうる、という見立てです。
- 米国はイスラエルの「最重要同盟国」であり、武器供与や国連安全保障理事会での拒否権行使を通じて支えてきた
- オルメルト氏は、その影響力を停戦へ向けて使うようトランプ政権に求めている
ネタニヤフ政権への厳しい評価
オルメルト氏は、2023年10月7日にガザを拠点とするイスラム組織ハマスが行った攻撃を防げなかったことについて、「指導者として完全に失敗した」とネタニヤフ氏を批判しました。この攻撃が、現在も続くガザでの戦争のきっかけとなりました。
また、国際社会が当初はイスラエルの自衛権を認めていたものの、2025年3月に戦闘を終わらせる機会があったにもかかわらず、ネタニヤフ氏がそれを退け、軍事作戦を拡大したことで状況が変わったと指摘します。
同氏は、ネタニヤフ氏について「自らの個人的な利益を、国家の利益より優先している」とも述べ、戦争継続の背景には国内政治上の思惑があるとの見方をにじませました。
「人質も救えず市民が犠牲になる戦争は犯罪」
ガザでの戦争の現状について、オルメルト氏は次のように語っています。
もしこの戦争が、人質を救出できず、ハマスに対してこれ以上の打撃を与えることもできず、その一方でイスラエル兵や人質、そして罪のないパレスチナの人びとが命を落としているのだとしたら、それは自分の考えでは「犯罪」だ――。
発言はあくまで同氏個人の見解ですが、ガザで続く戦闘が多くの犠牲を伴いながら、どこまで目的を達成できているのかという疑問を投げかけています。
二国家解決とパレスチナ国家承認に向けた動き
オルメルト氏は、イスラエルとパレスチナの対立を終わらせるためには、将来のパレスチナ国家とイスラエルが並び立つ「二国家解決」しかないと強調しました。二国家解決とは、イスラエルとパレスチナの双方が独自の国家を持ち、相互に承認し合う枠組みを指します。
同じ文脈の中で、フランスとサウジアラビアが2025年6月下旬にニューヨークで、パレスチナ国家承認に向けたステップを議論する会合を共同開催する予定であることにも触れられました。当時、国際社会ではパレスチナ国家承認をめぐる議論が一段と高まっていました。
ガザ情勢をめぐる緊張が続く中、こうした動きは、軍事力だけではない解決策を模索する試みとして位置づけられます。
2025年末のいま、何を考えるか
今回のオルメルト氏の発言は、イスラエル国内の政治的な対立だけでなく、同盟国である米国の役割や、国際社会がどのように戦争の終わり方をデザインできるのかという問いを投げかけています。2025年末のいまも、その問題意識は色あせていません。
読者のみなさんは、次のような点をどう考えるでしょうか。
- 同盟国がパートナー国の軍事行動にどこまで口を出すべきなのか
- 「自衛」と「過度な武力行使」の境界線をどう引くのか
- 二国家解決に現実味を持たせるために、国際社会はどのような支援ができるのか
ガザやイスラエルをめぐるニュースは、遠い地域の出来事に見えがちですが、戦争と平和、リーダーシップ、国際秩序といった普遍的なテーマを私たちに問いかけています。
Reference(s):
Ex-Israeli PM: Trump must tell Netanyahu to stop the war in Gaza
cgtn.com








