米国防総省、ロサンゼルスへの州兵・海兵隊派遣費用は1億3400万ドル
移民取り締まりに対する抗議デモが続くロサンゼルスに、米国防総省が州兵と海兵隊を派遣する費用として約1億3400万ドルを見込んでいることが明らかになりました。巨額の支出と軍の投入の是非をめぐり、米議会で議論が高まっています。
ロサンゼルスに派遣される部隊の規模
今回の派遣は、カリフォルニア州兵約4000人と海兵隊約700人で構成されます。いずれも、ロサンゼルスでの移民法執行に反対する抗議活動をめぐり、治安維持や連邦当局の支援を目的として動員されます。
州兵は、各州が保有する予備役部隊で、災害対応や暴動鎮圧などにも動員される組織です。一方、海兵隊は本来、海外での作戦を中心に任務を担う部隊であり、国内の抗議行動への対応に投入されることは、政治的にも注目を集めやすい措置と言えます。
費用は約1億3400万ドル、その内訳
国防総省のブリン・ウーラコット・マクドネル暫定主計官は、下院の小委員会で証言し、今回の派遣費用は約1億3400万ドルに達するとの見通しを示しました。主な内訳は、派遣部隊の宿泊費、移動費、食費など、兵士たちの生活と移動にかかるコストだと説明しています。
単純計算では、1人あたり数万ドル規模の負担となる可能性があり、60日間という限定的な期間の派遣としても決して小さくない額です。公聴会では、議員から費用の妥当性や費用対効果を問う厳しい質問が繰り返されたとされています。
議会公聴会で交わされた主張
マクドネル氏が証言したのは、米下院歳出委員会の国防小委員会の公聴会です。この場にはピート・ヘグセット国防長官も出席し、部隊派遣の必要性を強く訴えました。
ヘグセット氏は、ロサンゼルスでの抗議行動の一部が暴力的になっていると主張し、抗議側を「暴徒や略奪者、ならず者たちが警察官を攻撃している」と厳しく非難しました。そのうえで、派遣期間を60日とした理由について、こうした行為を続ける人々に対し「連邦政府は現場から引き下がらない」という強いメッセージを送るためだと説明しました。
60日間の派遣が問うもの
ヘグセット氏は、公聴会で派遣について「60日間だと公然と示してきた」と述べ、一時的な措置であることを強調しました。一方で、治安状況の推移や政治的な議論によっては、今後、延長や縮小をめぐる新たな論争が生じる可能性もあります。
移民政策をめぐる対立が激しい中で、連邦政府が軍を国内の抗議行動に投入することには、常に賛否がつきまといます。治安維持や警官の安全確保を重視する声がある一方で、抗議の自由や表現の自由が萎縮するのではないかという懸念も根強く存在します。
軍事費と民主社会、そのバランス
約1億3400万ドルという規模の予算が、短期間の治安対応に充てられることについて、議会や世論がどのような評価を下すのかは、今後の焦点となります。軍事力を用いた国内の秩序維持にどこまで依存すべきかという問いは、米国だけでなく、多くの民主社会が直面するテーマでもあります。
ロサンゼルスでの部隊派遣は、移民問題と社会の分断、そして安全と自由のバランスをどう取るのかという点で、今後の米国政治を読み解くうえで重要なケースとなりそうです。日本からこの動きを見る私たちにとっても、「治安」と「権利」のどちらをどのように優先すべきかを考えるきっかけになるのではないでしょうか。
Reference(s):
Pentagon: Deploying Marines, National Guard to LA will cost $134m
cgtn.com








