ロサンゼルス市中心部に夜間外出禁止令 ICE強制捜査への抗議デモ激化で
ロサンゼルス中心部に夜間外出禁止令 移民当局への抗議デモが激化
ロサンゼルス市のカレン・バス市長は、移民・関税執行局(ICE)の強制捜査に抗議するデモが数日間にわたって激化したことを受けて、市中心部に夜間外出禁止令を発令しました。アメリカ第2の都市で起きている混乱は、移民政策と治安維持のバランスをめぐる緊張を改めて浮き彫りにしています。
数日続く抗議デモ、深夜帯に破壊行為や一部略奪も
ロサンゼルス中心部では、ICEによる不法移民への強制捜査に抗議するデモが数日間続き、デモ参加者と治安当局との衝突が発生しました。深夜から早朝にかけては広範囲な器物損壊に加え、一部で略奪行為も報告されています。
ロサンゼルス警察は、ここ2日間で300人以上を逮捕したと明らかにしており、抗議行動が治安上の大きな課題となっていることがうかがえます。
バス市長「略奪と破壊行為を止めるための非常措置」
バス市長は記者団に対し、地元の非常事態を宣言し、あわせてダウンタウンへの夜間外出禁止令を出したと説明しました。目的については「破壊行為を止め、略奪を止めるため」だと強調しています。
今回の夜間外出禁止令の主なポイントは次のとおりです。
- 対象エリア:ロサンゼルス市中心部の約1平方マイル(ダウンタウン周辺)
- 時間帯:現地時間の火曜日午後8時から水曜日午前6時まで
- 内容:指定エリア内での夜間外出を制限し、違反者は逮捕・訴追の対象となる
- 逮捕者数:過去2日間で300人超を警察が拘束
バス市長は「ダウンタウンに住んでいるか、働いているのでない限り、この地域には近づかないでほしい」と呼びかけています。また、夜間外出禁止令に違反した場合、捜査当局が逮捕し、訴追されると警告しました。
大統領、州兵4,000人と海兵隊700人の派遣を指示
こうした混乱を受けて、ドナルド・トランプ大統領は、ロサンゼルスに4,000人の州兵(ナショナル・ガード)と700人の海兵隊員を派遣するよう命じました。ICEの強制捜査に対する抗議デモが4日間続く中での決定であり、連邦レベルでも治安対策を強化する姿勢が示された形です。
ICEによる強制捜査は、アメリカ全土で議論の的となってきましたが、ロサンゼルスのような大都市で大規模な抗議行動と治安悪化が重なることで、移民政策への不満と公共の安全の問題が一気に噴き出した格好です。
表現の自由と治安維持、そのせめぎ合い
今回のロサンゼルス市中心部の夜間外出禁止令は、暴力的な破壊行為や略奪を抑えるための措置として打ち出されています。一方で、デモや集会は、市民が政策への不満や不安を示す重要な手段でもあります。
このような状況では、次のようなポイントが問われます。
- どこまでが平和的な抗議で、どこからが治安対策の対象となるか
- 夜間外出禁止令などの非常措置が、市民の表現の自由や移動の自由にどう影響するか
- 移民政策への不満を、暴力に頼らずどのように政治や社会の対話につなげていくか
ロサンゼルスで今起きていることは、一つの都市の治安問題にとどまらず、移民政策をめぐる対立が社会の分断や不安につながりうること、そしてその中で政府や自治体がどのように市民の権利と公共の安全を両立させるかという、より広いテーマを投げかけています。
日本からこの国際ニュースを追う私たちにとっても、「治安対策」と「表現の自由」の線引き、そして移民・難民をめぐる政策と地域社会の関係は、今後の議論のヒントとなる問題だと言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








