オマーンが米イラン核協議第6ラウンドを仲介 高まる中東緊張の行方
オマーンが米イラン核協議第6ラウンドの開催地となることを発表しました。 2015年の核合意に代わる新たな枠組みをめぐる交渉が続くなか、中東で軍事的緊張も高まっています。
なにが発表されたのか
オマーン外相のバドル・アルブサイディ氏は木曜日、首都マスカットで米国とイランの核協議第6ラウンドが週末の日曜日に開かれるとSNS「X」に投稿しました。これまでに5回の協議が行われており、今回はその第6回となります。
テヘランとワシントンは4月以降、2015年の核合意に代わる新たな核合意をめざして、すでに5ラウンドの協議を重ねてきました。
2015年核合意“やり直し”の交渉
協議の目的は、2015年に結ばれた核合意に代わる新たな取り決めをまとめることです。この2015年の合意は、トランプ氏が第1期政権だった2018年に離脱しており、その後イランの核開発と制裁をめぐる駆け引きが続いてきました。
今年1月にトランプ米大統領が復帰してからは、イランへの「最大限の圧力」キャンペーンを復活させつつ、核協議も続けるという二重の戦略を取っています。外交による解決を支持するとしながらも、失敗すれば軍事行動も排除しない構えを見せています。
高まる軍事的緊張
オマーンの発表の数時間前、トランプ大統領は中東の「危険になりかねない」地域から米軍要員を移動させていると明らかにしました。また、イランに核兵器を保有させることは認めないと改めて強調しています。
イスラエルがイランの核施設を攻撃するのではないかという臆測が強まるなか、イラン側は、もし衝突が起きれば域内の米軍基地を標的にする、と警告しました。互いのメッセージは、軍事的な緊張の高まりを物語っています。
トランプ大統領はこれまで、核協議の行方について一定の楽観的な見方を示してきましたが、最近のインタビューでは「合意に達する自信は以前ほど高くない」と述べ、発言トーンをやや下げています。
オマーンが担う仲介の場
今回の第6ラウンドは、オマーンの首都マスカットで開催される予定だと発表されました。4月には同じ外務省庁舎で第3ラウンドが行われており、オマーンは米イラン核協議の主要な開催地として、当事者が向き合う場を提供してきました。
双方が直接対話できる「物理的な場」を確保することは、それ自体が重要な意味を持ちます。緊張が高まり、軍事的な選択肢が取り沙汰される局面だからこそ、中立的な場所での対話の継続は、エスカレーションを避ける数少ない安全弁ともなりえます。
交渉の行方と、私たちが見るべきポイント
米イラン核協議の中身は公開されていませんが、今回のニュースからは、少なくとも次のようなポイントが浮かび上がります。
- 新たな核合意に向けた外交努力は続いているが、米側の「自信」は低下しつつある
- イスラエルやイランの軍事的な選択肢が公然と語られ、偶発的な衝突リスクも高まっている
- オマーンのような第三国が、対話の場を提供する「緩衝材」として存在感を増している
交渉が成功すれば、核拡散のリスク軽減と中東情勢の安定に一歩近づく可能性があります。一方で、協議が決裂すれば、地域の安全保障だけでなく、エネルギー市場を含む世界経済への波及も懸念されます。
中東で緊張と対話が同時進行する状況はしばらく続きそうです。オマーンを舞台とする米イラン核協議の第6ラウンドが、対立のエスカレーションを抑える一歩となるのか、今後も注視が必要です。
Reference(s):
cgtn.com








