豪国防相「AUKUS継続に揺るぎなし」 米国の見直し開始後も強調
オーストラリア政府は、安全保障協定「AUKUS」について、米国が協定の見直しに着手したあとも関与を続ける方針を改めて示しました。インド太平洋の安全保障に関わる動きとして、日本にとっても無視できないニュースです。
AUKUS見直し開始、米国の狙いは「トランプ政権の議題との整合」
米国防総省(ペンタゴン)は水曜日、安全保障協定AUKUSについて、現在のトランプ政権の議題と「整合」しているかを確認するための見直しを始めたと明らかにしました。AUKUSはバイデン政権期に合意された枠組みであり、新政権の方針に沿っているかを改めて点検する狙いがあるとされています。
豪国防相「見直しは自然なプロセス、コミットメントは揺るがない」
これを受け、オーストラリアのリチャード・マールズ国防相(副首相)は木曜日、「政権が変われば協定を見直すのは自然なことだ」と述べ、AUKUSへの関与は変わらないと強調しました。「オーストラリアはAUKUSにコミットしており、この見直しについても米国と緊密に協力していく」とする声明も公表しています。
潜水艦取得への自信は「非常に強い」
マールズ氏はその後、公共放送ABCラジオの番組に出演し、2021年に署名されたAUKUSの下で、オーストラリアが潜水艦を受け取ることについて「非常に強い自信がある」と述べました。協定の将来に懸念が広がるなかで、計画は予定通り進むとの見方を示した形です。
今回明らかになった主なポイント
- 米国防総省がAUKUSの包括的な見直しを開始
- オーストラリア政府はAUKUSへのコミットメント継続を表明
- 潜水艦取得計画についてマールズ国防相が「非常に自信」と発言
- 防衛費の対GDP比3.5%への引き上げを米側が要請
- アルバニージ首相は「防衛費はオーストラリアが決める」と一蹴
防衛費3.5%要請とオーストラリアの対応
マールズ氏は6月、シンガポールで米国防長官のピート・ヘグセット氏と会談しました。この場でヘグセット氏は、オーストラリアに対し国内総生産(GDP)の3.5%まで防衛費をできるだけ早期に引き上げるよう求めたとされています。
一方、アンソニー・アルバニージ首相はキャンベラのナショナル・プレス・クラブでの演説で、この要請を事実上退け、「防衛費の水準を決めるのはオーストラリア自身だ」と述べました。米国との同盟を重視しつつも、最終的な判断は自国の主権に基づいて行う姿勢を示したと言えます。
G7カナダサミットでの米豪首脳会談に注目
アルバニージ首相は、今後カナダで開かれる主要7カ国(G7)首脳会議の場で、トランプ米大統領と会談する見通しです。AUKUSの見直しや防衛費増額の問題は、この会談の主要議題の一つになる可能性があります。
首脳レベルでの対話が進めば、AUKUSの方向性や具体的な潜水艦計画のスケジュールについて、より明確なシグナルが発せられるかどうかが焦点となります。
日本と地域への意味合い
AUKUSは、インド太平洋地域における安全保障協力の一環として位置づけられています。今回の見直しとオーストラリアの対応は、同盟・パートナー間でどのように役割分担や負担を調整していくのかを示す一つの事例と見ることができます。
日本を含む地域の国々にとっては、次の点が今後の注目ポイントになりそうです。
- AUKUS見直しの中身と、潜水艦計画の具体的な行方
- 米国が同盟国に求める防衛費水準や役割の変化
- G7など多国間の場で交わされる議論が、地域の安全保障構想にどう反映されるか
オーストラリアが「AUKUSへのコミットメントは揺るがない」と強調する一方で、米国の見直しの方向性次第では協定の実像も変化し得ます。日本としても、中長期的な安全保障環境を考えるうえで、米豪関係とAUKUSの展開を注意深くフォローする必要がありそうです。
Reference(s):
Defense Minister: Australia committed to AUKUS despite U.S. review
cgtn.com








