ロサンゼルスの未認可移民とセーフハウス トランプ政権の強硬策の影 video poster
ロサンゼルスをはじめ米国各地で、未認可移民の人びとが「姿を消す」ように暮らさざるをえない状況が広がっています。トランプ大統領による移民取り締まりの軍事色強化が、不安と分断を生んでいます。
ロサンゼルスで広がる「隠れる生活」
ロサンゼルスやアメリカ各地では、数百万人規模の人びとが不安の中で暮らしているとされています。いわゆる未認可移民(米国で在留資格が確認されていない人びと)は、いつ当局の取り締まりに遭うか分からないという恐怖から、人目を避けて生活せざるをえません。
中国の国際メディアであるCGTNのフラン・コントレラス記者の現地報道によると、トランプ大統領が未認可移民と疑われる人びとへの取り締まりをさらに軍事色の強いものにする方針を打ち出したことで、その恐怖は一段と高まっています。
トランプ大統領の「軍事色強化」とは
トランプ大統領が決めたのは、未認可移民の取り締まりを「さらに軍事化する」ことです。具体的な中身はさまざまですが、少なくとも移民政策が、より強い力と威圧を伴うかたちで進められようとしているというメッセージとして受け止められています。
こうした方針のもとでは、日常生活のなかで当局の存在をより強く意識せざるをえなくなります。その結果、本来であれば地域社会の一員として表に出て活動したい人びとが、自宅や限られた場所に身を潜めるようになっているのです。
「セーフハウス」を求める未認可移民
コントレラス記者の報道によれば、ロサンゼルスなどでは、取り締まりを恐れる未認可移民が「セーフハウス」と呼ばれる安全な場所を探し求めています。セーフハウスとは、当局の目を避けながら、一定期間身を寄せることのできる場所のことです。
そこでは、身元が知られることを極力避けながら、衣食住を確保し、次にどう行動するかを静かに考える時間を得ようとする人びとがいます。学校や職場、公共の場に姿を見せれば取り締まりの対象になるかもしれない――そんな恐れが、セーフハウスを必要とする背景にあります。
市民による支援と静かな抵抗
注目すべきなのは、こうしたセーフハウスの多くが、市民権や合法的な在留資格を持つ人びとの支援によって成り立っている点です。トランプ政権の移民政策に反対する市民が、自宅の一室を提供したり、生活物資を持ち寄ったりしながら、目立たないかたちで連帯の輪を広げています。
彼らにとって、これは単なる善意のボランティアではありません。家族や友人、同僚として共に暮らしてきた人びとが、ある日突然「排除」の対象となることへの疑問と、小さな抵抗の表明でもあります。
恐怖と連帯が同時に進む社会
一方で、取り締まり強化を支持する声もアメリカ社会には根強く存在します。治安や雇用の不安から、強い移民政策を求める有権者も少なくありません。移民をめぐる議論は、地域ごと、世代ごとに意見が分かれやすく、社会の分断を深める要因にもなっています。
そのなかで、ロサンゼルスの未認可移民と支援者たちは、恐怖と連帯が同時に進む現実に直面しています。表立ったデモや政治運動ではなく、セーフハウスという静かな空間を通じて、人びとの基本的な生活と尊厳を守ろうとする試みが続いています。
日本からこのニュースをどう受け止めるか
日本でも、技能実習生や留学生、難民申請者など、多様な背景を持つ外国人が暮らしています。法制度のもとでルールを守ることは重要ですが、一人ひとりの生活や家族の物語があることも忘れてはなりません。
ロサンゼルスで未認可移民の人びとがセーフハウスに身を寄せているというニュースは、遠い国の出来事に見えるかもしれません。しかし、「安全に暮らす権利」と「国境管理のあり方」をどう両立させるのかという問いは、日本社会にとっても無関係ではありません。
国際ニュースを通じて、私たち自身の社会をどうしたいのか。ロサンゼルスの小さなセーフハウスから、その問いが静かに投げかけられています。
Reference(s):
cgtn.com








